五能追想  その14    風合瀬

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  五能線 風合瀬   2018年1月






訝しげな車掌に周遊券を見せて始発列車を降りれば。

夜明け前の風合瀬駅は打ち付ける風に絶え間なくガラス窓を鳴らしている。

三方向からの風が合わさるから、という由来さえ辟易する程の北風に身を縮ませて今日の一日が始まるのだった。

ワンパターンでも定番でもいい、昔も今も緩やかなレールの弧と鈍色の海を眼下に立つは、

また五能に来たという儀式だったのかもしれないし、此の土地に宿った魂への挨拶でもあるように思うのだ。


風と波と鉄路の十字路、風合瀬。







五能線 風合瀬俯瞰2 16bit 原版 take2b

  五能線 風合瀬   1982年







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[ 2018/02/18 19:35 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(6)

五能追想  その13    港の朝

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  北金ヶ沢漁港   2018年1月








「立派な魚ですねえ。これは何の魚ですか。」

「アラだ。」


プリッと太った魚体は北の荒波に揉まれていかにも脂が乗ってます風だ。

アラといえば高級魚である。末端価格ならキロ1万円の話も聞くから、

全部で20キロ以上はあると思える獲物は諭吉に見えない事も無い。

「こっちはただのババア。」と明るいのは、まずまずの漁果なのだろうか。


細かい魚も選別し、不用な魚は餌として投げ与えられるからカモメの羽音も騒がしい。

朝日を浴びて爽やかな港のひとときである。







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[ 2018/02/16 21:28 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(4)

五能追想  その12    波濤

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  五能線 大戸瀬    2018年1月








逆巻く大波、霧になって散る波頭。

ソウルフルな五能はやっぱりこう来なくっちゃ。

海岸段丘からの俯瞰はあれやこれやと試して昇り降りした思い出も尽きないが、

ここは一発、超ロングレンジ狙撃であの頃絶対撮れなかったアングルを。








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[ 2018/02/14 21:20 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(6)

五能追想  その11    待合室のストーブ

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   五能線 驫木   2018年1月






かつての五能線は小さな無人駅であっても待合室に必ず石油ストーブが備えられていた。

正式な委託だったのか、ポランティアに近いものだったのか、誰か駅の近くに住んでいる人が管理していたようだ。

朝のささやかなラッシュアワーが終わるとその火は消されてしまう様だったが、寒風に晒された挙句に待合室まで帰って来ると、

底冷えのするそこは居ても立ってもいられず、勝手にストーブを点けて暖を採っていた。


驫木の駅前にはその頃まだよろず屋を営んでいたはずの一軒家があって、そこのおばさんが煙突の煙を見たのだろう、顔を出した。

写真を撮りにという情けない顔をした風来坊は珍しかったに違いないが、「よく暖まってけ。出る時は消してなあ。」と扉を閉めた。







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今、屋根から煙突が消えた事が表すように、ストーブは置かれていない。

駅前の一軒家は健在だが、残念な事に夜になっても灯が点かないようだ。

冷え冷えとした待合室に重々しい波濤の響きだけが変わらない。


ストーブの代わりに付いたのは、いかにも高価そうな巨大な監視カメラ。

それが守っているものは果たして何なのだろう。







五能線 驫木待合室1 1989年2月 16bitAdobeRGBb

   五能線 驫木   1988年





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[ 2018/02/12 23:19 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(6)

五能追想  その10    深浦今昔

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  五能線 横磯    2018年1月






今回投宿した深浦の温泉旅館の老女将は、深浦の生き字引に加え殊の外話好きで、風呂の行き帰りとかに随分楽しませてもらった。

(かなりネイティブな津軽弁なので、翻訳及び想像も大分入っているが。)



その昔(高度成長期~1970年代位まで?)ウチは弁天様(深浦港の入り口にある弁天島)のすぐ前で旅館やっていて、そりゃあもう大した賑わいで。

観光バスがほれ、20台も来るんだから。皆んな弁天様にお参りだから小さな島は人で一杯になるのさ。

ウチも貸ボートやらお土産やら随分やったもんよ。

汚い話だけどトイレが無かったからそら大騒ぎ。何しろ20台分だから。役場に言ってもなかなか作ってくれないし、ありゃあ往生したわあ。

円覚寺の観音様は知らないというから教えてあげて。皆行ったからお寺さんも儲けさせた訳さね。神さん仏さんだけで皆旅行に来た時代だよねえ。



魚?ダメダメ、今はダメ。獲り過ぎたんだあ。獲るだけとって種播かないんだから居なくなるって。

大きなトロール船で底引きしても大してかからないから油代出ないって。ウチもトロールの株持ってるけど魚なんて貰ったことないよお、あははは。

だから今はね、小さな船でその辺の磯物位だわ。

イカ釣り船?この季節は海荒れてるから出ない。荒れてる時はダメだからねえ。漁師は沖見りゃ分かるんだから。

深浦マグロ?あー役場がそんな宣伝してるねー、深浦沖のマグロがそのままを北上して大間のマグロ、だから深浦マグロと大間マグロは同じもんだって。

そうかもしれないけどマグロも獲ってなんぼだからさあ、あははは。



老女将の自慢はロビーに飾ってある200号はあろうかという二対の油絵。

一枚は弁天島に落ちる夕陽を映した穏やかな海。もう一枚は黒々とうねり逆巻く嵐の海。



わあわあやってるうちに歳取った。こんな田舎町もいろいろあって変わんないようで変わってくわ。次の事は分かんねえなあ。





すっかり夜の帳も降りた頃、鰺ヶ沢方面から高校生が帰って来る。今夜の海は穏やかだ。

夜明け前の港には一隻だけイカ釣り漁船が帰って来たようだ。

海は今日の糧を分け与えてくれただろうか。







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[ 2018/02/09 21:25 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(4)

五能追想  その9    深浦

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   五能線 深浦    2018年1月







長大なローカル線である五能線は、一度踏み込んだら例え周遊券を持っていても、幹線筋に出て夜行列車泊とか待合室泊とかは難しかった。

無人駅泊はさすがに遠慮していたので懐具合は寂しいながら駅前旅館に投宿する事になった。

(今思えば北朝鮮の拉致が横行していた時期であり、沿線では地道な警戒があったのかも知れぬ。広戸の待合室に佇んでいたらパトカーが来て職質を食った事がある。

北朝鮮の工作員に間違われたのかなあと知人に話したら、工作員が無人駅辺りでテレテレしてないだろと。そりゃそうだ。)


当時五能線の各駅前には大概旅館があったように思うが、もちろんアポ無し、一軒宿だと宿主の気分で「あいにく満室で。」が往々にしてあり、

ウソコケと思いつつもリスクを回避するには複数の旅館が構える深浦に落ち着くのだった。

いわゆる駅前商人宿チックなのは3軒位あったと思う。うち一軒を定宿にしていて都合5回位は泊まった。

その宿は今どうなっているのか、以前から気になっていたのだが、今回少し時間に余裕があったのでじっくり探したところ。







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見つけた。

決め手だったのは「床屋のクルクルポール」で、何故か床屋を併設した宿屋だった。写真左側が床屋入口、右側が旅館入口である。

もちろんその両方共が既に失われたものになった事は一目瞭然であるが。


間口は狭いが奥行きはしっかりあり、結構収容能力はあったかと思う。

ふすまひとつのプライベートしかない客室の廊下を歩いてへえと思ったのは、入口のふすまの上に五能線の列車番号の木札が付いていた事。

深浦で駐泊するする乗務員の指定旅館、が容易に想像できる。

当時此処に泊まっていたというのはさすがに無い様な気がするが、ハチロクの時代だろうか。

寡黙なご主人だったが疲労困憊して宿に辿り着くというのが定番だったし、翌朝も早かったから早々に寝てしまい、それ以上の記憶はあまり無い。

すぐ裏手は深浦港だったから、吹き付ける風の音が夜半まで響いていた。


素泊まり2,500円と結構破格な勘定は前夜のうちに済ませ、翌朝夜明け前に音を立てないように身づくろいして、

ガラス戸をカラカラと開けると冷気が身に沁みた。凍てついた道に足を取られながら徒歩2分程の深浦駅に着くと、

5時55分発の1725列車が長大にオハフを連ね、窓の白熱灯がホームの雪を染めていた。

三脚を立てて腕時計を睨んで4秒5秒、忙しなくバルブを撮り終える頃にはホイッスルが響いて、この鋼体化客車は台枠を軋ませながら走り出すのだった。

窓に顔を寄せて目を凝らすと、まだ真っ暗な海に白い波頭が散るのが微かに見えた。


深浦は一日が始まって終わる場所。

それ故凍てついた暗い町の印象が強かったが、一夜の夢を結んだ宿と共に五能線の朝と夜の記憶が沈殿した土地だった。







五能線 オハフ61507 1 55mmF35原版_1117 take1b

  オハフ61 深浦   1983年











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[ 2018/02/07 20:03 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(10)

五能追想  その8    水平線

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   五能線   2018年1月






ここまで乗って来た520Dは深浦で岩館発521Dと交換する。521Dからはパラパラと高校生が吐き出された。

木造高校深浦校舎の生徒に違いないのだが、同校の通学需要は深浦から秋田寄りに限られている事になる。


521Dで折り返す。

そこそこの乗客が居るのにはやや安堵するのだが、平均年齢は一気に上がる。


「わら運転出来ねえし、これしかねんだわ。無くなったら困るし。」







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見慣れたはずの海。

窓に広がる水平線は、五能線と此の地に生きる人々、その移ろいを逆に見詰めているのだろう。








五能線 老婆と車窓の海景3 198年月 X970 AdobeRGB16bit 原版take1b

修正A3 五能線 車内窓 1981年11月 55mm_7005原版 take1b

  五能線   1981年






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[ 2018/02/05 20:44 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(4)

五能追想  その7    始発列車

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  五能線 北金ヶ沢   2018年1月






北金ヶ沢6時47分発、東能代行き始発列車を待つ。

まだ明けやらぬ空の下、登校の高校生が足早に。







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高校生はここで交換する弘前行きの乗客のようだった。

2両編成の東能代行きに乗客の姿は無かった。

いや正確に言うと、深浦で交代するらしい乗務員氏がひとり。






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寂しいものだが、時折窓を開け放して撮れるのは儲けものと言うべきだろう。

潮風の匂いを嗅げる旅もあと僅かなのだろうか。





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この列車はワンマン運行。

馴染んだ駅名に並ぶデジタル文字、料金箱に整理券と小銭を入れれば「有難うございます」と運転士。

これは現代の五能線なのだ。深浦まで500円也、ワンコインのプチトリップ。

忙しない日程の中、時間だけは有り余っていた鈍行列車の旅は帰って来ないけれど、

車窓を流れる漠とした海原はあの時のままだ。






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gono19 take1b

   五能線 1982年









( 写真展漫遊録 )


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品川のニコンミュージアムに 「広田尚敬 Fの時代」 を見に行く。

10年近く前に出た同名の写真集はまた泣かせる奴できっちり蔵書しているが、そこから抜粋された写真展。

1960年代である。まさにニコンFの時代。

SLだけではイマイチ時代が読めない人も、それを取り巻く乗客、子供、鉄道員を見れば一気にその瞬間に放り込まれるだろう。

SLのみならず、きちんとその時代を記録し切った広田写真の面目躍如。


会場に設置された広田氏のトーク映像が面白かった。

タイトルバックにもなっている超有名な「C6227」は、テレコン2段重ねは良く知られているものの、

置きピンなのかピント送りしてるのかが謎だったのだが、「ピントを送っている」のが真相との事、

猛吹雪で置きピンどころの話でも無かったらしい。

じりじりとしたピント送りと手巻き上げの末、ギリギリ撮れた2カットが存在し、よりアップになった2枚目がお気に入りらしく。

成せば成る、昨今目立つ秒10コマ以上を無駄に撮り散らす撮り鉄クン達にも聞かせたい。

秩父での取材風景もあったが、ニコンFの巻き上げの早さと、構えた瞬間の無駄の無い身のこなしは御年を感じさせず、カッコイイ。

広田尚敬、まだまだ「現役」である。 3月末まで。




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[ 2018/02/03 18:23 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(8)

五能追想  その6    雨雪

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  五能線 驫木   2018年1月








日が沈むと雨交じりの小雪が舞い始めた。

肝心な時にコイツしか走らん、とは嘆くまい。

この時間の「リゾート」にどれだけのお客が乗っているのか知らないが、

観光ポスターのまるで南国リゾートとは違う五能線、その静謐な日常を見ただろうか。


夜への時間、ただ沈黙のままに駅はそこに在る。









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[ 2018/02/01 20:11 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(6)

五能追想  その5    ヨンマル

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   五能線 陸奥岩崎   2018年1月








その昔の五能線は。


天丼風に言えば、

DE10が牽く雑形客車列車が「松」。

キハ22だったら「竹」。

そしてキハ40ときたら「梅」。


何だ「梅」かあ、とガックリする対象だったヨンマルも、長年の潮風に洗われてなかなかいい顔になった。

巻き上げる鉄粉は突起の周囲の落ちにくいところに溜まるし、それはすぐに錆びて模型のウェザリングさながらの趣になる。

車番を追い回すような趣味は無いが、30年以上前に撮った写真の辛うじて車番が確認できる車両は今も生き残っているのか。

調べてみたら皆廃車か転属しているようだが、最後の写真「530」は五能色に塗られて健在らしく。

今回何処かで相まみえたのか定かで無いが、もし出会っていたなら。

よおお、お互いあれから随分歳を取ったな、お役目もあと少しだなと、ポンとボディを叩いてみたかった。








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   岩館


五能線 冬の驫木駅3 1986年12月31日 X970 AdobeRGB16bit 原版take1b

  驫木   1986年


修正A3 五能線 大戸瀬駅のホーム降車客1 1983年2月 日 16bitAdobeRGB原版 take1b

  大戸瀬   1983年







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[ 2018/01/30 19:43 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(8)

五能追想  その4    国境の海

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   大戸瀬漁港   2018年1月







「北朝鮮の木造船? あー来たよ来たよ、すぐそこだよ、そこ。 最初船が流れて来て、次が人間よ。」

「迷惑ったらありゃしねえよ。役場が金出して撤去したんじゃないかな。」

「あんなボロ船でよ、この海に。死ににいくようなもんだで。」

「でも手を合わせたな。死んだら皆仏だからよ。」








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  驫木漁港

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  驫木海岸

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  五能線 風合瀬






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[ 2018/01/28 18:37 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(4)

五能追想  その3    驫木海岸

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  五能線 驫木   2018年1月







驫木海岸を見下ろす場所で一本押さえた後に佇んでいると、漁師風のおじさんに捕まる。

「写真? そんなにいいのかねえ、此処が。」

「俺はよ、ここを三保の松原みたいによ、きれーいにしてえんだよ。」

「深浦の町長はよ、代々驫木集落から出してんだ、町長に頼んでんだけどなー。」

「五能線もよ、計画してんだ二階建て。(真偽不明) 景色も良くしなきゃよお。」







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「この浜の小屋はよ、昔ウニ採りが盛んだった頃、その場の加工に使ってたんだ。今はウニだめになっちゃったからな。」

「もう毎年朽ちる一方よ、壊すにもカネが掛かるんだよな。」


「えっ昔の小屋はまだちゃんとしてたって? 此処で写真撮った? 昔っていつよお。」

「さんじゅうろくねん前? て、あんた今幾つよ?」






五能線 驫木トンネル俯瞰1 1982年11月 16bitAdobeRGB 原版 take1b

   五能線 驫木   1982年   ( これはひとつ先のトンネルの上から撮ってると思う。)






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[ 2018/01/26 20:43 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(4)

五能追想  その2    光る海 

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  五能線 岩館   2018年1月







昼間の客レ、1730と1735列車は13時前後に岩館で交換したから、

この貴重な2本を岩館の鉄橋で待つならレンズの画角位しか変化の付けようが無かった。

でもちょうど真向いに太陽が来たから、晴れた日は雲が落とす影と共に海は様々な光と翳の演出をしてくれたのだった。


今、岩館折り返しの区間列車はやはり13時台に間髪入れずに通過する。

おもむろなレンズ交換は変わらない。

昼下がりの海原もまた、あの時のままに揺れて、煌めく。








五能線 岩館鉄橋2 1982年11月 16bitAdobeRGB 原版 take1b

   五能線 岩館   1982年






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[ 2018/01/24 21:00 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(6)

五能追想  その1    もうあかん、閉店します。  

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   五能線  風合瀬     2018年1月







「リゾートしらかみ」でさえ許し難いのに、まるで山手線みたいな電車式気動車なる変なのに占拠されるとあっては。

かつて蒲原と並んで風太郎のソウルフルな地だった五能線も、いよいよ年貢の納め時のようだ。

もうあかん、これで閉店します。

思い残す事も無いよう、最後の興業に丸4日間ブチ込んだるわ。


変わるもの。変わらぬもの。

全てが変わり果てたように見えて、むしろ悲しい程に遠い記憶の糸が繋がる場所があって。

それは五能線がどうこうより、もう40年近く前の、北の海辺の寒さに丸まった自分自身の背中を探した末かも知れず。


えっ新車導入は2020年度のアナウンスだから、少なくともあとひと冬あるって?

閉店するよするよと言いつつ、しないのが閉店商法のキモでもあるが。


逡巡しつつ、未練がましく、多分にセンチメンタルな旅。






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[ 2018/01/22 19:40 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(6)

アナログ

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    小湊鉄道 里見   2013年








一番目立つ「江古田」はさすがに練馬のそれではなくて鶴舞近くのバス停らしく。

運賃を手計算し行先のスタンプを押しての発券はある種の職人芸が必要で、

タッチパネル方式が素人の早期戦力化には有効云々は言いっこなしだ。

職人という経営資源がまだあるなら最後までそれを生かし切ってこそ。









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[ 2018/01/20 19:04 ] 小湊鉄道・いすみ鉄道 | TB(0) | CM(6)

名古屋~。

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いぬばしりさんお勧めの車庫は何だ名古屋駅のすぐ裏じゃんと、名古屋駅前のホテルから夜更けの酔い覚ましに。

三脚などもちろん無いし、酔眼に手振れも入ってるな。

今年は強いドラゴンズを見に行くから本番はそこに取っておく。






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   名古屋   2017年






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[ 2018/01/18 20:53 ] 最近の旅 中部甲信越 | TB(0) | CM(4)

タングステンの味

tadami201701_12872take1WBナトリウム混合灯b

   只見線 会津中川   2017年







普段の風太郎はホワイトバランスに関し「自然光・晴天」一本槍でどんなシチュエーションでも撮ってしまうが、

RAW撮りの利点はホワイトバランスを事後にいじれる事で、時々いたずら半分に変えてみるとなかなかに楽しい。


只見線の駅の照明は「ナトリウム灯」というのか、「自然光・晴天」設定では黄色味が強烈なものになっている。

ホワイトバランスをいじってズバリ「ナトリウム混合灯」なる設定にしてみたら、冴え冴えとしたブルーに染まった。

どこかで見たようなと思えば、その昔いたずらで撮った事がある「タングステンフィルム」の発色に似てるじゃないか。

白熱灯系の黄色に合わせたカラーバランスは、普通の風景に使えば昔の映画の疑似夜景風に青っぽくなったなと。

いかにもあざとくてそんな酔狂なマネはすぐに止めたが、現代のデジタルでは特別な覚悟など要らぬ。

こうしてみれば雪の夜の冷気が沁みて来るようで、一粒で二度おいしいデジタルの妙味も感じるところだ。


それにしても。

「本当の色」という奴は何処にあるのだろうかと、ふと思う。








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[ 2018/01/16 23:00 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(12)

大雪の日

kanbara_16820 55mm 大蒲原ホームの行商老婆1 原版 take1b

   蒲原鉄道 大蒲原   1983年








日本海を渡った雪雲が豪雪に変わるのは越後平野の最深部、蒲原の里である。

白い闇から現れ消えていく単行電車はそれでも変わらぬ日常を乗せている。

それは長い冬にあってごく当たり前に過ぎてゆく、沈黙の一日。









蒲原鉄道 大蒲原駅ホームの祖母孫 1983年2月 16bitAdobeRGB原版 take1b2


kanbara55mm_17147大蒲原ホーム 原版 take1b


kanbara55mm_17142 大蒲原大雪1 原版 take1b2


55mmkanbara_17549大蒲原駅前 老婆と孫1 take1 tiffb




( 明日からロケに出ますので来週半ばまでお返事等出来ません。 )






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[ 2018/01/12 20:15 ] 昔の旅 蒲原鉄道 | TB(0) | CM(4)

その日その時

karasuyama_12510take1b.jpg

   烏山線 小塙   2017年







霜降る張り詰めた大気。

払暁を映す車体の輝き。

その日その時の肌の感触、網膜の残像は今も。

あれから早や一年。







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[ 2018/01/10 22:08 ] 最近の旅 関東 | TB(0) | CM(4)

日出谷細雪

bansai1983 55mm_16886 日出谷ホーム1 原版take1b

   磐越西線 日出谷   1982年







音もなく降る雪は変わらず。

谷間に身を寄せ合う様な家々もまた。

一枚の写真が閉じ込める、変わるものと変わらぬもの。







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[ 2018/01/08 17:07 ] 昔の旅 東北の国鉄・JR | TB(0) | CM(10)