
ミャンマー ヤンゴン環状線 2019年
アジア地域の線路際となるとそれはスラムである事も多く、その国の抱えた矛盾が凝縮されて見える場所でもある。
ミャンマーのそれも決して例外では無い気がするのだが、子供たちの屈託の無さには救われる。
彼らを取り巻くコミュニティの包容であったり、それでも前を向ける希望が笑顔の源になっているなら良いのだが。



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展示作品より
その昔の雑型客車は車内照明も薄暗く、対して外光は充分な明るさを持っているから、
その強烈なコントラストにフイルムのラチチュードはついていけず、それは難しい写真になったもの。
でも窓辺の彫りの深いライティングは古今の巨匠に愛されて来たし、その光を自在に操るのは憧れでもあった。
積年の想いを叶えてくれるのは最新センサーや事後の画像処理。
まるで弥勒菩薩の様に穏やかさに満ちた母の横顔も浮かび上がった。
風太郎4年振りの個展です。 最後の週末を迎えました。
写真展 「 ミンガラーバ! ~ ミャンマー・レイルサイドストーリー ~ 」(東京展) オリンパスギャラリー東京 2020年8月28日(金) ~ 9月9日(水)
終了(大阪展) オリンパスギャラリー大阪 2020年9月18日(金) ~ 9月30日(水) 木曜休館
写真展の詳しい概要、営業時間などの最新情報は下記ページ参照の事
オリンパスHP 写真展ガイド
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ミャンマー国鉄 ヤンゴン環状線 2019年
ヨンマルロスがじわじわ沁みて来てる人!
5000キロ先の会津若松にちゃんと生きてるよ。
当たり前の日々を目一杯に乗せて。
( 宗教的おまじないでは無いと思うが、尾灯を常に進行方向に点灯させる不思議。 )


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ミャンマー ヤンゴン環状線 ダニンゴン 2019年8月
昨年行ったミャンマー番外編。
雨季のヤンゴンらしい陰鬱な朝。
ミャンマー最後の一日にヤンゴン環状線屈指の写真スポット、「ダニンゴン線路市場」を再訪する。
前回は初見参のミャンマーのそのまた初日。
左右も分からぬまま混沌のエネルギーに圧倒され、思うように撮れなかったという不完全燃焼感もあり。
今回は完膚なきまでに仕留めたると、イメージトレーニングも完璧だったのだが。
基本的に朝市だから、ホテルから近いとはいえ早朝にタクシーで向かい、運ちゃんが「ほい、ダニンゴンだぜ。」と言う。
辺りを見回すなり、「おいっ此処はダニンゴンじゃねえよ!」 「ダニンゴンだってば!」 「はああ?!」。
土砂降りに放り出された荒涼とした風景の中にあるのは確かに駅で、見覚えのある跨線橋から見下ろせば。
そこは残酷なまでにダニンゴンそのものだった。
遠くに見える銀色の新しい建物は最近建てられた公設市場。
以前は下の写真のようなテントや粗末な小屋掛けが所狭しと並んでいた。
スコールが降ればあっという間に水浸しになるそこは、それでも生活のエネルギーに溢れていたのだ。
何十年も昔の話ではない。つい去年の事だ。
ダニンゴン 2018年7月


線路まで溢れた出店者や買い物客をかき分けるように機関車が通っていた線路。


ホームの上屋の下では恥ずかしがり屋の少女が母親とパイナップルを刻んでいた。



まるで魔法のように跡形も無く失われた風景。 あの混沌は何処に消えたのか。
答えは新設の銀屋根公設市場に収容されたという。
高額な出店料もあるらしいから、払えない人々は排除されてしまったという事だろう。
実質的な首都ヤンゴンは人口集中が著しく、慢性化する交通渋滞解消の切り札としてこのヤンゴン環状線は位置付けられている。
日本の技術協力もあって路盤は改良され、ダニンゴンのホームはかさ上げの途中らしい。
列車の高速化に伴い線路は当然に聖域化するはずで、線路市場などとんでもないという事なのだろう。


この眠ったような国にも押し寄せた変革の大波は、変わる事など無かったはずの風景もひと飲みに押し流してしまう。
それはまるでうたかたの夢の如く。
さらばダニンゴン線路市場。

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四季のある日本の鉄道風景の美しさは世界に誇れると思う。
そう思うからいまだにねちっこくそれを撮り続けているのだけれど。
しかし鉄道は風光明媚な自然ばかりでなく、それが線路の傍らに育てた社会と共に在るものだ。
「本物の」 ローカル線とは、まずそこを走る社会的必然がある事。
そして線路と共にある暮らしに、生き生きとした生活の躍動がある事だ。
日本の農村社会の衰退は、現代のローカル線から写真をどんと受け止める胆力を奪い去ってしまったように思える。
これ以上傷付けないよう大事に保護ケースに入れられ、憂いを隠すような虚飾さえ纏って生きているような。
それは本当に残念な事だけれど、抗う事の出来ぬ現実でもある。




5000キロを隔てた異国の地、その線路際にあるのは疑いが入る余地の無い「本物」だ。
つましい暮らしも、線路市場の混沌も、血の滴るような鶏肉や魚肉の塊も、そしてカメラの前のはにかみも、皆嘘偽りでも演出でもない 「本物」 なのだ。
そして刃物ような光学レンズの解像と対峙して臆する事の無い胆力は、本物しか持ち得ないものだ。
それら本物相手の勝負は、憚りながら真を写したい人間にとって疑いなく至福の時間と思う。
どストライクに飛んで来る剛速球に対して、当たるも八卦だがフルスイングで振り切る喜びは堪能出来た気がする。




少なくとも物質的には恵まれ過ぎたところから来た人間が、「幸せのありか」 をうかつに語るまい。
それでも写し取られた本物は、無言のメッセージを伝えると信じたいのだ。
我々が豊かさと共に得たものと、失ったものについて。




線路の向こうに本物が見える。 薄れゆくもの、忘れかけたものをこの異国の地に探す。
伸びるレールがその土地に生きる事そのものだった、遠い記憶の続きを。

( ミャンマー ・ レイルサイドストーリー おわり )
( 随分先ですが。 写真展のお知らせ )
「たまゆら」 以来4年振り、「ミャンマー」 をお題に個展を開くことになりました。
今回はオリンパスさんにお世話になります。
ご厚意により東京展に加え、大阪展も開催します。
( 東京展予定 ) オリンパスギャラリー東京 ( 新宿西口 ) 2020年8月下旬
( 大阪展予定 ) オリンパスギャラリー大阪 ( 御堂筋線他 本町 ) 2020年9月中旬
去年今年とせっかく汗水流して撮った写真だし、世に問うてナンボとは思っているけれど、
今はWEBという世界を駆け巡る魔法があって、それで良しとするのも一理はある。
しかしパソコンのモニターはともかく、豆粒のようなスマホの画面に安直に写真がバラ撒かれ、見るそばから捨てられてゆく世にあれば、
本来そんなに軽いものではないはずの写真と、リアルな大空間と大画面で向かい合う時間をそのアンチテーゼとしたい、という反骨もあって。
個展も2回目なので腹も据わって、リアルならではの色々面白い仕掛けを盛り込みたいと思っております。
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