模型の魂

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いささか遅ればせながら。 先月末まで巣鴨の「さかつう」でやっていた展示会を見て来ました。

目玉は宮下洋一さんの例によって溜息が出るような駅前風景。

風間克美さんが撮られた花巻電鉄の駅前の写真がモチーフになっているそう。

写真と模型、ジャンルは違っても互いにイマジネーションの膨らみを刺激するのはいいね。





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これが噂の「大衆食堂の内側」だね。 そうか、カットモデルにしたら天井裏の梁まで再現しなければいけない訳だ。

毎度の事ながら相当に模型的なデフォルメが入っているはずなのに、それを感じさせない構成力は見事としか言いようが無い。

で、これって売り物らしい。既に売約済みとの事だが一体おいくらなんだろう、下世話ながら。




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1/150スケール、都電はフィクションながら、いにしえの「新宿駅東南口の怪しい一角」とか。

あそこかぁ、そういや長年、再開発とか手ぇ出したら死人が出る一角と言われていたな。 いや、こっちの話です。



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軍艦島かいっ。 ひとつひとつ積み上げたコンクリート塊に作者の魂が宿る。



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すっかりテンションに火が付いた勢いで都営三田線繋がり、本蓮沼「エコーモデル」へ数年振りに。

塩化亜鉛に錆びた真鍮板の匂いが漂うような「鉄道模型屋」も絶滅危惧種。

あの珊瑚模型も店仕舞いした今、まだまだ意気軒昂なようで安心する。

で、ついこういう散財も。



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我が「ホロベツ殖民軌道」駅前、「岩尾商店」のヨレヨレの建具をリフォームしたくなったのだ。

ビフォーアフターで「なんということでしょう!」と悦に入るつもりだったのだが。

なんという不覚、この設計は1/87でした。 一間が2mm違うからお手上げ。









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ミャンマー人は案外宵っ張りで、涼しくなった夜の時間を楽しむ。

こちらも大量のビールに酔った勢いで駅のカップルのお邪魔を。

今、 戒厳令下のヤンゴンは夜間外出禁止。


ミャンマーの軍事クーデターに抗議します。

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[ 2021/02/13 20:38 ] 怪しい模型のお部屋 | TB(0) | CM(0)

ホロベツ殖民軌道 その9  晩鐘

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この小さな世界にも夕暮れがやって来た。

影は長く伸びて色温度の低い光線に日々のなりわいが染まってゆく。






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ミレーの「晩鐘」の色彩感に憧れる。

それはなかなか実景では見られないけれど、北海道は地平線まで障害物が無く、

紅い太陽がギリギリまで残る関係で印象的な光線と出会う事が多い。

白熱電球のスポットライトであの光を。





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模型の中は妄想ゆえに永遠であり、今日があれば明日も来る。

尽きぬイマジネーションには終わりも完成も無く。



いつの間にか窓の外には都会の灯りが瞬いて、どうやら春の夢うつつから目覚めたようです。



( ホロベツ殖民軌道 おわり )






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[ 2020/05/20 20:52 ] 怪しい模型のお部屋 | TB(0) | CM(2)

ホロベツ殖民軌道 その8  風渡る

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茫漠とした原野にオホーツクの海風が渡る。

今日は洗濯日和だ。





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車両はともかくレイアウトという舞台の主演と言えば「フィギュア」だろう。

先般の「猫少女」は1/20というスケールだから凝った造形も可能なのだろうが、

1/80~1/87スケールともなれば身長は20mm足らず、これが人間に見えるかとツッコミたくなるようなクオリティで我慢せざるを得ず。

輸入物の「プライザー」とかはさすがな造形だが、十頭身のような欧米体形を古き良き日本人とするのも無理がある。

それでも昨今は様々な技術革新も進んだのか、かなり見られるものが出て来た。 「軽便祭」とかを覗くとついムムムと散財するんだな、これが。

上の写真の「担ぎ屋のばあちゃん」や「セーラー服女子」は出色の造形だと思う。

今後三次元プリンターとかであっと言わせるようなものが出来ないかな。






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簡易軌道にあっては、一般的な 「駅」 や 「駅舎」 という概念は薄かったようだ。

プラットホームなどというものはほぼ存在せず、ステップに足が掛かるよう踏み台がある位のもの。

駅舎らしきものは原野の只中の掘立小屋か、要所にある 「軌道事務所」 がそれらしい機能を持っていた。

それでも模型はフィクションであるから何となく駅らしい体裁にしてみた。





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何の変哲もない、よくある午後である。






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[ 2020/05/18 20:44 ] 怪しい模型のお部屋 | TB(0) | CM(4)

ホロベツ殖民軌道 その7  原野のオアシス

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農耕馬の蹄も響く駅前にはマンサード(牧舎)形のよろず屋が建っている。

ささやかな店ではあるが食料品から各種の生活必需品、種苗類まで何でもありの「原野のオアシス」だ。

自動車などほぼ存在しない、いやあってもまともに走れる道路など無い時代に、人々は駅を目指して集い、ここで人心地をつけたのだ。

電話、電報、よろず屋は外界と結ばれる情報ステーションでもあった。


店の主人に尋ねれば。 この建物はよ、ウチのじいさんが自力で建てたのよ、と平気で言うだろう。

必要なものは誰にも頼らず調達する、開拓の民の底力。






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  道北 小平町  2012年






北海道各地の実物写真を来るべき日の為に撮り溜めていたので、それを元に設計・製図して組み立てた。

エコーの羽目板みたいな便利なアイテムには救われる。

外れかけた窓枠や引き戸なんぞは、レーザーカッティングの精巧な建具にリフォームしたいなと改めて。






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毛糸、綿、調味料、学生服。 所狭しと貼られた琺瑯看板はこの辺境まで入り込んだ営業マンの商魂の証し。

右書きの戦前から戦後へ、そして工業製品の大量生産が始まった時代の証人でもある。

何の了解も無く勝手に打ち付けられた看板も多かったと聞くが、何でも扱う商店だけにこれも花の賑わいだろう。


国鉄線の貨車から積み荷が降ろされ、よろず屋を中継点として殖民軌道の奥地へと生活物資は運ばれてゆく。

ささやかな、しかし大切なライフラインだ。





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北海道建築の象徴とも言えた「マンサード」も、今や朽ち果てた姿を見るばかりとなった。

なにより生活物資全般を扱うような「よろず屋」自体がとうの昔に絶滅している現実も認めるしかない。 ひとつの時代が終わったのだ。


昨今ミャンマーを旅すれば。

線路際に構えたよろず屋の店先。 粗末な羽目板造りの壁沿いに無造作に並べられた食料品、雑貨。

あっと足を停めてしまう。 あの開拓集落の写真そのままじゃないか。

何千キロを隔てても。歴史も文化も違っても。 同じアジア人のマインドというのはどこか深い所で繋がってるんじゃないのか。

見る事叶わなかった「殖民軌道」のまぼろしを、今異国の地に見ている。





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[ 2020/05/16 20:29 ] 怪しい模型のお部屋 | TB(0) | CM(2)

ホロベツ殖民軌道 その6  サブロク ニロク

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サブロク ニロクの並びを見たかったのがジャンクション製作の動機とは以前書いた。

しかしご覧の通りスケールを合わせた12mmと9mmでは思う程違いが無い事も分かる。

やはり1067mm自体がナローゲージなのだ。


それでも違いはゲージだけでは無い。

簡易線とはいえきちんと道床がありバラストも入れられた本線は、やはり国有鉄道の矜持として再現した。

しかし側線となると手抜きも目立ち、ましてや簡易軌道側は草ボーボーのヘロヘロぶりを違いとして表現したつもり。


運転士は脱線の危険がある側線入りを嫌がり、交換駅ではどっちが本線に残るか早い者勝ちだったとか。

資材不足でレールの代わりに角材を敷いたというトンデモぶりに加え、脱線をその場で復旧する奥義もあったという。





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珊瑚1/87の9600はキットが絶版で、確か完成品をヤフオクで買い叩いたと思う。 やっぱり96の無い北海道なんて。

「切り詰めデフ」は付いていないし、塗装済み完成品にコテというのも難儀だからエポキシ接着剤でくっつけて晴れて北海道だ。

えっ昭和37年時点で切り詰めデフだったかって? 知らん。


表札たるナンバープレートが無いのはツッコミたい人が大勢いるだろうが、これは何を付けたらいいか未だに決まっていないという事だ。

ご存知の通りこの機関車は一両ごとに細部が違い、ランボードやエアタンクの位置まで千差万別だから、

その「形」とナンバーの一致、そして道北地域への配備云々まで考慮すると抜けられない迷路に嵌るのだ。

どなたか詳しい方は、全ての条件を満たすナンバーをご提示あれ。





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C12は小さな車体にぎゅっと濃縮された密度感が精悍なところがあって好きな機関車だ。

珊瑚のキット組み。多分蒸気模型の処女作じゃないかな。

前面にスノープロー昇降用のシリンダー付は入換機関車の装備と思うが、密度感を増す上で好ましいので敢えて付けてみた。

塗装はペンキ風が嫌で黒染めをベースに、4Bの鉛筆の芯をペーパーですり下ろしたものを擦り付け、

ギラリと鈍い金属感を加えて悦に入っていたのだが、それも経年でただのマットになっちゃってるな。

北海道ではマイナーな機種だが、興浜南線で混合列車を牽いた記録は何処かで確認済みと思う。

でも昭和37年ならDC化されていたはずだが、まあいいって事よ。


「スハユニ62」はやはり珊瑚の1/87オハユニからの改造。 とは言ってもダルマストーブ用の煙突を付け、蓄電池箱を大型化しただけ。

と思っていたら、よく見れば「二重窓の内側」の存在まで細工していた。 当時は結構細かい芸をしていたと自分に感心。




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現実の簡易軌道にはこんな立派な積み替えホームなど無かった筈だが、そこはフィクションですから。

やはり蒸気模型の存在感は捨て難い。 作るのは大変だけど。

コテ捌きがどうこうと言うより、「十字にケガいた真鍮板のど真ん中に、寸分違わず0.5mmの穴を空けられるか」 という基礎工作力の問題なんだよな。

死ぬまでにC55の門鉄デフを13mmで凝りに凝って組むのが夢なんだけど、頼みの珊瑚模型も廃業しちゃったしなー。

それでも来る日の為に指先のリハビリだけは続けたいと思っている。




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[ 2020/05/14 20:12 ] 怪しい模型のお部屋 | TB(0) | CM(2)