私をスキーに

ueno20171229_24604take1b2.jpg

   




正月休みのグダグタに書き散らすお屠蘇ネタ。 暇を持て余した方だけで結構です。



JR東日本各駅に貼り出されたポスターを見てうわぁっと思うのはもう、オヤジオバハンばかりなりと思うのだが。

スキー人口の先細りに一時期は止めていたというJRのスキーキャンペーンだが、最近復活、

それでブレイクした本田翼とか若手女優の起用が続いていたのに突然のコレである。

1987年公開、原田知世主演の映画は今年で公開30周年の節目なんだそうだが、

それじゃあ現在のスキー人口の大部分は映画をリアルに知らない事になるな。


1980年代の風太郎といえば、昔の写真の通り冬ともなれば常に日本の片隅の線路際に在った訳で、

「夏はテニス、冬はスキー」が定番の軟弱大学サークルなんぞにはとんと縁が無く、スキーのスの字も知らなかったのだが、

その後就職して否応なしに「社会復帰」してみれば、周囲はそういう軟弱サークルでブイブイ言わせていた男女ばかり、

何でスキーやらないの?と問われれば「いやー、雪は雪でも。」と説明は極めて難しい訳で。 ( 撮り鉄など微塵の市民権も無かった時代だ )

あくまで抵抗していたのだが、その小意地をも打ち砕いて落城させたのがこの映画なのだ。


洋画全盛期、確か映画興業そのものはコケたはず。でも一躍脚光を浴びたのはその翌年あたりにテレビ放映されてからだと思う。

ビデオレンタルさえ一般的でなく、ブルーレイだのネット配信だのは何処の世界の話かという時代だから、テレビは一大ブームの媒介者になり得た訳だ。

スキーゲレンデに立てば男は誰でもカッコ良く、女は可愛らしくなれると素朴に信じ込まされる映画。

携帯電話は無いけど車載無線はある。この映画以降違法開局が相次いだそうな。

クルマはセリカGT4、無茶なドリフトの挙句、逆さまに転覆するのだがそれでもカッコ良かった。以降の4WDブームの火付け役でもある。

( 最初に協力を申し込んだ三菱自動車からは断わられたらしく、後でしまったと思ったんじゃないかな。パジェロじゃひっくり返らないとも思うが。 )

主題歌のユーミンは定番中の定番として長蛇の列のリフト乗り場に延々と響き渡り、夜布団に入ってもぐるぐるリフレインしていたものだ。

ストーリーのキーにもなっている「サロット」なるスキーブランド。そういう「記号」にからきし弱い時代だからこの映画が成立する。

ちなみに「サロット」は本当に商品化して売り出す計画があったそうだ。諸般の事情で実現しなかったようだが、これは絶対売れたと思うぞ。


「サロット」ならぬ「エレッセ」の小洒落たスキーウェアをしみじみ眺めて、風太郎も遂にここまで堕落したかと思いつつも、

志賀高原の焼額山、まさにロケ地そのもので、「これから万座に向います!」「馬鹿野郎!」とかのネタで映画を知らないごく少数者を憐れみつつ、

男女混合「トレイン走行」( もちろんブリザード、ブリザード、の歌付きだ ) でハジければ、

本当のトレイン、ローカル線の撮影なんてもういいやあ、とあっさり引退したのが風太郎のバブルでもあったろう。


駅のポスターに戻る。

この映画の公開当時、東北・上越各新幹線はとうの昔に開業していたのだが、劇中ではキレイに無視されている。

だいたい列車の網棚なんぞに担いできたスキー板をどっかり乗っけてなどという辺りからしてダサかったのだ。

JRは仇をとるつもりか、ポスターはこれでもかと新幹線を繰り出したのだが、駅員のマイクは車載無線のパロディと思われ笑える。

でも右側のグラサン外しバージョンは目が寄り過ぎだし全然似て無くて良くないねえ。

当時ミラーのグラサンは「誰でもいいオンナに見える」アイテムとして最強だったのだが、外した時のはああ?!を思い出したぜ。

でも割と最近まで「吉田羊」が原田知世だと思っていた位だからこれ以上突っ込むのは止めておこう。


なぜいまさらにこのバブリー映画なのか。さすがに昔懐かしリアル世代をスキー需要の主役とするのは無理があろうし。

主役を張りそうな世代に少なくともこの映画を知らしめて、ヨシ俺もと腰を上げさせるのか。

それとも繰り返しというか、何処か時代の空気感が当時と似て来ているからか。

いやそれは大分違うだろーという例証はいくつも挙げられようが、ひょっとしたら個別指向に疲れたというか、

誰もがひとつの文化に踊り、同じ方向を向く事がむしろ気楽という空気がカウンターとして浸潤しつつあると見たのか。

そのあたりの意図はいまいち不明な「スキツレ」であるが、思えば「1987年」は国鉄解体の年でもある。

それから間もなく昭和が終わり、平成すら終わろうという今、いつの間にか手が届かぬ程遠くなった日々が此処にある。





HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
スポンサーサイト
[ 2018/01/02 19:21 ] 日々雑感 | TB(0) | CM(6)

Merry Christmas

shinjuku20171221_24092take1b2.jpg

    新宿   2017年12月








I wish you a Merry Christmas!









shinjuku20171224_24568take1b2.jpg







HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/12/24 19:00 ] 日々雑感 | TB(0) | CM(6)

なんと!!  水着撮影会

satueikai201709_19961take1b2.jpg





なんと!! 「水着撮影会」 にやってきました。

ニッコールクラブという団体があって、加入が昨年ニコンサロンで写真展をやった際に資格要件になっていたので。

時々「◯◯先生と行く◯◯撮影の旅」とか案内が来るものの別段興味が無かったのだが、湘南で水着モデル撮影会との事。

こういう撮影会って一人のモデルに大勢群がり、鉄のお立ち台並みに怒号飛び交う修羅場と聞いていたし、

第一こういうのって参加費が高いだろーと思っていたのだが、1400円ポッキリの会員価格にグラグラと。

修羅場見学を兼ねてこのディープなワールドに踏み込むのも後学の為かと。もちろん相応のスケベ心は隠さぬが。


当日は台風の暗雲迫る辻堂海浜公園。海岸は波にさらわれるからとプール貸切。

想像はしていたが300人位はいると思われる参加者の高齢化率は凄まじい。

風太郎とて他人の事は言えぬがそれでも若い方から数えて5%以内には入ると思うから推して知るべし。

それでもこのじいちゃん達、元気なんだな、これが。


( モデルさんはWEB等掲載フリーです。念のため。 )






satueikai201709_19387take1b.jpg

satueikai201709_19399take1b.jpg






一歩でも前に出るという競り合いはもとより、こういう写真の「決め」はやはりモデルの目線を取る事にあって、シャイでは損ばかりの世界である。

「プリティー!!」 「マーメイド!!」 「ギブミー!!」 とか叫んでいるじいちゃん達の問答無用のパワーは凄い。

やっぱり高齢者の元気が日本を支えるかと感じてしまう。

実際 「渚のマーメイド」 とか暑苦しいタイトルを付けてフォトコンにでも出すんだろうな。






satueikai201709_19706b.jpg






モデルは日本人もいればパツキン系もおり、これはロシア、ベラルーシ、ウクライナとかロシア系が多い。

バタ臭さがやや少なくて肌がキレイ、日本人好みなのかな。






satueikai201709_19726take1b.jpg

satueikai201709_19992take1b.jpg






服をお召しになった 「じらしタイム」 もあります。

雨も降りだす悪天ながら晴れたりしたら変な影が出てまた大変だったろうから、これはこれで好条件と思う。

その昔宣伝課の下っ端としてプロカメラマンの仕事を真近に見る事が多かった銀塩時代。

曇りや雨の日のモデル撮影となると暖色系のシートフィルターで色温度を補正していて、

大らかに自然発色任せの鉄とは大分様子が違うわいと感心したもの。

晴れの日でもごく薄いアンバーを掛けると女性の肌はキレイに写ると言ってたな。

今はWBクリクリで一発補正だから楽になったもの。

ご託宣通りにもう少しアンバー寄りに振るかと思ったけど何か嘘っぽくなりそうでこの程度に。







satueikai201709_19360take1b2.jpg

satueikai201709_19327take1b3.jpg






手持ち肩越しショットは普段からだから何の違和感も無いが、鉄のように三脚で領有権確保がないからカオスである。

でも想像したより全然修羅場じゃなかったな。

図々しく一歩前が当たり前、それをスタンダードと認めて後はモデルに掛ける声のでかい者勝ち、

気後れしている奴は素直に負けを認めて後ろに下がれという世界。

それがまた結構静かで理性的な秩序になっているのだ。

もとより他人の土地に三脚&脚立、4~5人分相当の領有権を存分に誇示して周囲を威圧した上に、

二言目にはマナー云々を垂れるより余程大人な秩序に見えるけどね。






satueikai201709_19671take1b.jpg

satueikai201709_19932take1b2.jpg






「両脇を締めて寄せる」 はカメラの構え方ではありません。






satueikai201709_19664take1b2.jpg






じいちゃん達は目線取りの声を掛けるだけではなく、ポージングへの「積極的指導」も。

先生役の女性プロカメラマン、「皆さんグラビア好きですねー!」 「あーこんな写真、奥さんに見つかったらー!」 「あー、そのポージングは際どい!、ダメダメ!」 


うるさい。





satueikai201709_20010take1b2.jpg

satueikai201709_19797take1b2.jpg






やっぱりこの子がダントツ人気ナンバーワン、可愛い系はもちろん何より表情豊か。

言われなくてもレンズの一本一本に目線を送る配慮はデキた子だ。

「うおー!」 「可愛いよー!」 「それだあ!」 「だっちゅうのー(古)!」 という応援でモデルを乗せるのも肝要なようで。

「婦人科」 の大ベテランとおぼしき、謹厳実直そうなじいちゃんが腕組みして 「この子は表現力が高い。」 なるほど。






satueikai201709_19945take1b2.jpg





女性参加者は当然と言えば当然だが構成比として3%位か。

これだけカメラ女子が増えているんだから 「イケメン水着撮影会」 とかあっても良さそう。結構来ると思うけどね、お忍びで。

あまりの男性中心+高齢化にニッコールクラブも悩んでいるようだが、今やカメラは介護用品とも言われる中、次の一手は必須かと。




satueikai201709_19937take1b2.jpg





ロシア系のプロポーションは凄いが、もう少し齢を食うと一気にボンレスハムみたいになるんだよなあ。

騙された!とロシア男はもっと怒るべきだと思うぞ。





satueikai201709_19577take1b.jpg





序盤は気後れしていた風太郎の目線取りもエンジンが掛かって来ましたよ。





satueikai201709_19874take1b.jpg

satueikai201709_19512take1b.jpg

satueikai201709_19987take1b.jpg

satueikai201709_19895take1b2.jpg





今回のお勉強は 「シビアなピント」 を改めて見直したくなった事。

無限遠ばかりの鉄道撮影では退化してしまうその部分だが、こういう写真はそうはゆかぬ。

無闇に絞りを開けて背景をボカせばいいというものでも無く、極薄のピントにあちゃあというカットも多数。

何よりポージングによって必要な絞りは変わるし、ピント位置を含めて 「被写界深度の読み」 を瞬時に行う必要がある。

グラビアカメラマンはスケベなら勤まるとは思っちゃいないが、その技の深遠さを再認識。

今回初めてピント位置をカメラ任せにするモードを試してみたら、ピントは必ずブラに食いつくんだよなあ。

コントラストに吸い寄せられるのだろうか、そこだけピンポイントフォーカスした写真多数は困る。





satueikai201709_19851take1b2.jpg

satueikai201709_19828take1b2.jpg

satueikai201709_20062take1b2.jpg





「◯◯ちゃーん」 「可愛いー」 「もうちょっとだけー」 と追いすがる連中に最後の笑顔を振りまいて撮影会終了。

このモデルさん、追っかけも大分出て来そうです。

パーベルのようなナナニッパを振り回す事3時間、カット数約800。

「婦人科」 の名医からすればツッコミ所満載なんだろうけど初診者としてはこの程度だろ。

最後は腕がプルプルつりそうになっても、あー楽しかった。 いやいやあ。





satueikai201709_20021take1b2.jpg

satueikai201709_20072take1b2.jpg





HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/09/21 20:18 ] 日々雑感 | TB(0) | CM(8)

Birth of Venus

venus3b.jpg






ボッティチェリの名画「ヴィーナスの誕生」は、「長過ぎる首」「極端に落ちた肩」「不自然な左腕」と、

美神を謳う割には結構歪んだヴィーナスなのだが、そういった人体に対する解剖学的写実が大切にされたルネサンス期の巨匠の事、

分かっちゃいるが正確性や写実性を超えた美の仕掛けを、その歪のあわいに潜り込ませたという事なのだろう。







Venus1b2.jpg







以前音威子府の写真展を共催させていただいた東海大学の石塚耕一先生の最新写真展は、ズバリ「 Birth of Venus 」。

奇しくも風太郎の写真展と同時期開催となった昨年もビートルズの楽曲から飛躍するイマジネーションを展開されていたのだが、

今回は写真と絵画の融合というテーマはそのままに名画の再解釈に挑戦。







tokyo20170907_19159take1b.jpg






女性モデルのポートレートに複雑なデジタル処理を重ねて現出させるのは、街に廃墟にそしてプライベートルームに生まれたヴィーナス達。

階調を飛ばして彩度を抑えたイメージは、デジタル時代を迎えて写真表現の懐が拡がった現代に在っては絵画的とまでは言わないけれど、

むしろ浮遊するイメージとリアルな写実の間を行き来するような、不思議な世界観の演出に成功していると思う。







venus2b.jpg







以前の写真展では「こんなのは写真ではない。」と酷評もされたとの事だが、

色彩は常にそれが置かれた光の環境に依拠するもので、何が本当の色、写実なのかは誰にも分からない。

豊かな階調性云々も枯れた見方をすれば、「ごく平均的にきれいに見せる」ためのテクニックに過ぎず、

現実の光と翳はもっと荒々しく、あるいは水を打ったように穏やかに在るものなのかも知れず。

そこに織り込まれた「歪」こそが写実を超えたイマジネーションの飛躍を促すのなら、それはルネサンスの画家の目論みにも通じるように思うのだ。


新宿眼科画廊にて13日まで。






HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/09/09 22:34 ] 日々雑感 | TB(0) | CM(6)

カラス部隊

kanbara1983 55mm_16908b






通りすがりに覗いた古本市で「日本発見 ローカル線讃歌」なる1981年刊のムックをゲット。

国鉄線を中心とする全国のローカル線のルポルタージュから、津々浦々までレールが敷かれた背景、国鉄再建問題との関連まで網羅し、

昨今の焼き直しを繰り返したような鉄旅本より余程内容がある。

もっともこの頃既に国鉄ローカル線をことごとく廃止するための政治日程は着々と進んでいたのだが、

そんな懸念は誌面からは読み取れず、ギリギリまで現実感が乏しかった事も分かる。






kanbara1983 55mm_16910b





記事中目を引くのは北井一夫さんのルポルタージュ「カラス部隊は行く」。成田線沿線から都心に向う行商人の専用列車を追ったもの。

重さ50kgにも及ぶ荷物を背負うのは小柄な地元農家のおばあさん達。昔より減ったとはいえ700人の行商人が利用していたというから驚く。

荷物は必ず風呂敷に包むのが乗車の決まりだったそうで、何故か黒い風呂敷や服装が多く、

真っ黒なシャドウが多い写真は、北井さん独特な黒焼きか未明の撮影もあってタイトな露出故か分からないが、

まさに「闇夜のカラス」の異名そのままに写し止めている。




kanbara1983 55mm_16912b





行商といえば自家農産品の販売と誰もが思うが、お得意さんのニーズに合わせて商品にバリエーションを持たせるべく、

ヨモギ餅のような田舎風お菓子や生肉まで扱っていたそうで、そのための卸商まで夜明けの駅前に詰めていたという。

背中ひとつの立派なマーケティングが存在していた訳だ。

それにしても山手線経由でようやく朝を迎えた都心の雑踏に消えていく農村女性の逞しさよ。

全国各地に息づいていた行商の世界は、この国の民のごく素朴な勤勉さと共に、資本に頼らず自立した庶民のエネルギーに溢れている。





kanbara1983 55mm_16913b









昨夏の写真展に来場された雪国出身の女性。

故人になった母が毎朝最寄りの駅から大荷物を背負って行商に出ていた、これはその頃見た待合室そのままです、と。






kanbara_16837 55mm大蒲原行商の老婆 原版take1b


kanbara_16831 55mm 大蒲原ホームの行商老婆2 原版 take1b

   蒲原鉄道 大蒲原   1983年    





HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/08/02 23:53 ] 日々雑感 | TB(0) | CM(8)