御神体

_DSC3872_00001b.jpg





歴戦のプロ機材のいただきものだ。

ニコンF2用のモータードライブMD1とバッテリーMB1。

電池は単3を10本も使用、以前戯れに中古で買ったF2ボディに装着すれば全重量はレンズ無しでも1800gオーバー、

最近のD6とかだってデカイ重いが、それをも軽く凌駕する圧倒的な存在感は「御神体」と手を合わせるに相応しい。

背には何やら意味不明なレバー類やらツマミ類やらが並んでいるが、当時のマニュアルをネットにUPしてくれる人もいるから助かる。





_DSC3879b.jpg





左からフィルム室裏蓋開放レバー、これを起こして左に60度。その右は自動巻き戻しレバー。

真ん中のツマミは秒間コマ数の設定で、秒1コマ~4コマ (ニッカド電池使用なら最速5コマ)。

緑色の数字はそのコマ数設定で撮影可能な最も遅いシャッタスピードを表している。

その右はフィルム残枚数を表示するカウンターとリセットレバー。

全てをカメラが勝手にやってくれるほど親切じゃ無いのだ。






_DSC3884b.jpg





装着に当たってはボディ底部のフィルム室底蓋を外して給送部に噛ませる。

遮光性は大丈夫なのかと思うが、そこは精度の高い加工が担保しているのだろう。

当然ながらフィルムを装填したままモードラを外したら一瞬で感光してオシャカである。 プロはそんなドジは踏まぬものを前提としている。

F2ボディの底板には「裏シャッターボタン」があって、モードラ側の小さな突起が連写コマ数に準じたピストン運動をして裏シャッターを押し上げる仕組みだ。

バッテリー収納部は仏壇ならぬ観音開きが御神体らしくて良し。





_DSC3881b.jpg





電池を10本突っ込んでレリーズすると「バシッ、ギューン、バコッ」と凄まじい作動音だ。

昨今の電子部品の塊のようなカメラの、風のような高速連写に慣れた身には異次元の感触。

全てがプリミティブかつ精巧な「機械仕掛け」である。

ライカとかの見様見真似から始まったのだろうが、日本人が練り上げ世界シェアのほとんどを押さえた「カメラ工業」。

カチリカチリと感触で信頼させる金属部品、無機質だが機能に徹したデザインは「用の美」に通じる。

スマホなんぞ太刀打ちできないその伝統技術の蓄積と、出て来る写真のクオリティを多くの人に分かって欲しいと思う。

しかし昨今跳ね上がった銀塩写真コストにあって、10秒足らずでフィルム1本が弾切れになってしまうのは痛過ぎる。

よってあくまで「御神体」として奉るに留めようと思う。





_DSC3876b.jpg





HPはこちら  

「風太郎の1980年田舎列車の旅」

©2020 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
スポンサーサイト



[ 2020/07/25 20:07 ] 写真道具 | TB(0) | CM(8)

鳥の眼 宇宙の眼

SN00003b.jpg





まるでナスカの地上絵のようだが、これはミャンマーはラーショー線の雄大なスイッチバックとオメガループである。

ビルマ平原のどん詰まりに屹立する山の斜面を2段のスイッチバックで這い登り、

その山の背後に回って更にスイッチバックと勾配緩和曲線が連続する。

その様が手に取るように分かるが、この全貌は車窓からはなかなか窺えない。線路際の木立が深過ぎるのだ。

黄色の丸の位置に信号場がある。 これはそこで撮った写真に記録されたGPSログを航空写真にプロットしたもの。







myanmar201807_31020b.jpg


myanmar201807_31026b.jpg




スイッチバックの途中にあるその信号場に到着する。

全く人気の無い山中に見えて、下の拡大写真で分かる通り数軒の建物がある。

これは鉄道員の官舎だろう。それ以外にこの山中に住む理由があろうか。

一日わずか一往復の列車をおかみさん達が出迎え、子どもたちが学校へと乗り込み、様々な生活物資が降ろされる。

信号場の右側に細々とした道があってこれは麓の町まで続いているようだが、普段あまり用をなしているようにも見えない。

信号はともかく、ポイントの遠隔操作はしていないようだ。信号場から遠く離れたポイント脇に独り立つ転轍手を見た。

外界から隔絶された鉄道員とその家族の暮らしのありようを想う。





SN00004b.jpg


myanmar201807_31027_00001b2.jpg


myanmar201807_31024take1b.jpg





もともとズボラな風太郎は撮影地点を記録するのが面倒臭く、後で困る事が相次いだのでその解決策としてGPSを導入したのだが、

国内ならともかく海外の見知らぬ土地での撮影位置を宇宙からの電波で精密に特定し、

鳥の眼で俯瞰出来るというのは実に興味深く、こんな場所で撮ってたかと感心してしまう。

そしてこれ程面白いGPSなのにカメラが高級になるほど冷遇されているのは解せないところだ。

もともとニコンの別売り純正品を付けていたのだが、接続コードがうざい上に傷みが出ており、新品に更新しようとしたら製造終了との事。

スマホのGPSとリンクさせて云々なんて代替案は、そんな面倒臭くて不確かな方法でやってられっかての。

困った挙句、Aokatecなる中国製のロガーを海外通販で取り寄せれば使える、

しかもカメラのソケットに直接装着できるので実にコンパクトと聞いて。





gps_00001b.jpg






送料込みでUS50ドル位だったと思う。 純正の半額以下だ。

前面のピカピカ光るLEDは変に目立つのでビニールテープで封をしてある。

テープが脇まで回っているのはそこにあるレリーズコード用のソケットの防水を兼ねているからで、三脚派もご心配なく。

今のところ快調に動作してるし位置情報も10m以下の誤差しか無いから充分使える。

撮ってきた写真を上から眺めてニヤニヤ反芻するのもなかなか一興である。

また街中の安くてイケてる飲み屋にもう一度行ってみたいと思っても、方向音痴に加え相手が外国では絶望的だったりするが、

GPSログはピンポイントで連れて行ってくれる。 また中生60円のビールが飲めるぞ。






SN00002b.jpg


myanmar201807_31243take1b.jpg




列車は進んでまた呆れるようなオメガループの先にあるのは、高さ100mを超えるゴッテイ大鉄橋だ。

その袂にある金色のお寺は、お立ち台にするために開山された訳でもあるまいが。





HPはこちら  

「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2019 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2019/07/19 19:43 ] 写真道具 | TB(0) | CM(8)

メンテは抜かりなく

1635_00001b2.jpg








風太郎がかれこれ10年近く愛用しているニッコールの16~35mmF4Gは、

小型軽量に加え当時は珍しかった「広角の手振れ補正」が何とも心強い。

広角に手振れ補正など要らんだろと思ってる奴はミャンマー鉄道にぶち込みたい。

常時震度4か5クラスの車内で補正が無かったら手振れ連発だろう。 

狭い車内だけに超広角の引きも不可欠で、MVP級の活躍をした。


接点の汚れでもあるのかごくまれにAFが効かなくなる事がある以外は不具合も無いのだが、ニコンのSSに定期点検に出すことにした。

サービスメニューに「定期メンテナンス」というのがあり、分解まではしないものの工場に持ち込んで

解像力、AF精度、手振れ補正他の精密検査と、必要に応じた再調整までするとの事。

お値段はこのクラスのレンズで税別8000円と決して安くはないものの、安心料と思っている。

なぜなら別のレンズだが落っことして分解修理に出した後、解像力が以前より見違えるように良くなっているのを経験しているからだ。

相手は精密機器だけに経年変化というのも実際あるはずで、それを侮ってはいけないと思う。

巷を賑わすレンズ画質に対するテストレポートだの口コミだのに汲々とするのは、まず本来の性能が出ている事が前提だろう。


しかしあくまで定期健診なので、検査の結果治療が必要です、料金は・・・という宣告電話の恐怖もあるのだが、幸い無事に帰って来た。

「ゴムリングに傷みが・・・」というのは要らぬお世話で、擦り減ったそれを歴戦の勲章という。

神棚に上げてお祀りするものでもあるまいし、ハードに使い倒されるのがレンズの本望でもあろう。


気分も新たに愛玉を覗けば、そこにまたミャンマーの大地と人いきれが見えるというものだ。

また行っちゃおうかなー、という準備でもあるとは、まだ言わない事にする。










myanmar201807_32182_00001マダヤ線take1b2

  ミャンマー国鉄 マダヤ線   2018年





HPはこちら  

「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2019 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2019/04/05 22:39 ] 写真道具 | TB(0) | CM(2)

METAL SNAKE

hokkaido1201501_196take1b2.jpg

  室蘭本線 有珠   2015年





既出の焼き直しではありますが。

D850を買ってからこれまで愛用していた captureNX2 が極めて使い辛くなり、

次善の策として photoshop に google の Nikcollection をプラグインして U-point を使えるようにするとか七転八倒している。

でも Nikcollection に入っている 「 silver effect pro 」 はなかなか興味深い。

モノクロ現像に特化したソフトなのだが、あまたあるプリセットエフェクトをポチすると、こんなモノクロ表現があったかと。

結構やり過ぎ感があるものも多いのだが、モノクロの奥義をソフトに教えてもらうのもまたエキサイティングな体験。








HPはこちら  

「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2018/08/27 20:36 ] 写真道具 | TB(0) | CM(6)

殿堂入り?

D800E_28228take1b3.jpg









オレはちっとも悪く無いぜぇ、という不幸な落下事故もあって愛機D800Eの精密点検をニコンに依頼したら、

「社内許容基準を上回る歪みが全体にあって、その他も満身創痍、残念ながら修理不能です。」 とのショッキングなお話。

社内基準がどうだか知らないがバリバリ動いてるし、撮って来た写真を等倍まで拡大して隅々までチェックしても気持ち良く解像してるし、

先日の大井川なんぞ 「修理不能」 のカメラでしゃあしゃあと撮ったものだし、納得がゆかぬところもある。

しかしグリップのラバーがペロンと剥がれているのは三脚を使わない風太郎が重いレンズと共にグリップだけで握り続けた結果、

少しづつ伸びちゃったからだし (これはDIYでは修復不能)、大井川では反対側のラバーが剥がれてきて、

隙間から覗いたらカメラの臓物まで見え、慌ててガムテープで応急処置の始末だし。


東西南北、春夏秋冬、朝昼晩に晴雨雪曇、共に弾雨をくぐった戦友ともお別れの時が来たかと。

結局実働6年か。買った時はこいつぁ10年戦えると思ったし、つい最近までそのつもりだったのになあ。

まあ 「焼け太り」 的iにごっつあんな保険金も入って来た事だし、ここは最新機の発射ボタンをポチッちゃおうかなあ、あっもうポチッちゃったかあ。


許せD800E、オリンパスOM1、ペンタの645といった歴代の殊勲機と並べた殿堂入りをさせてあげるから、

いやいやちゃんと撮れるんだから代打の切り札としてベンチに席を用意するからとか、目下思案中。








HPはこちら  

「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2018/05/03 21:00 ] 写真道具 | TB(0) | CM(4)