
再び南下の途中、兜沼駅周辺に立ち寄る。
31年前の夏に泊まった、すぐ駅前の素朴な民宿を探したのだが跡形も無かった。
木造の立派な建物が目に留まったので見れば「兜沼郷土資料室」との事。夏期の土日しか公開していないようだが、
風太郎はこういう庶民の生活の歴史が感じられる場所は大好きなのでラッキーである。写真撮影も自由。

建物はかつての郵便局兼自宅だそうで、ここに入植した開拓者が約70年前に建てたもの。
そもそも豊富町全体の開拓の端緒がここ兜沼であり、100年以上の開拓史があると知る。
展示品を見る。分厚く立派な外套もこの地ならではだが、「陸軍×号外套」との事。戦後の物不足の時代、
こうした元軍需物資も生活を支えたのだろう。兜沼駅が無人化される際に寄贈されたという国鉄制服や駅備品も
目を引くが、農具や馬具など、人力かせいぜい牛馬に頼るしかなかった開拓の苦労も伝わる。



北海道への入植は労苦や貧困の歴史として語られることが多いが、実際に入植・開拓に携わった人々に言わせれば、
何も無いところから少しづつ生活が形になり、豊かになっていく喜び、入植者同志の暖かい助け合いの日々があって、
悲惨なもののように伝わるのは抵抗感があるとも言う。
「幸せの在りか」とは難しいもの。
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「風太郎の1980年田舎列車の旅」
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