
富山地方鉄道 西魚津 2015年11月
いにしえの時代、荒野にレールを伸ばした実業家は意匠を凝らして駅をムラ一番の建物とし、その夢を託した。
駅という場所の特徴は、まずそれが極めてパブリックなスペースであるということだ。
ムラの玄関として誰でも自由に出入りできる場所、一人一人の日々の営みと共に在る場所、
そして旅立ちの場所でもあればふるさとに帰る場所でもある。
待合室のベンチは素朴ながら頑丈な造りが施され、丸く擦り減った木肌からはここに腰を下ろしたであろう幾多の人々の体温が伝わる。
伝言用の黒板からはすれ違いのもどかしさも伝わるが、此処が最も人と人が交差する場所であったことを今も語るようだ。
駅が無人となり、冷え冷えとした空気が支配するようになっても、そこかしこに人肌の温もりが残るのは、
此処に集った市井の人々の、日々の記憶が折り重なって刻み込まれているからだろう。
座布団はきれいに整えられ、造花ではあっても壁に飾られた花は一点の彩りを添える。
時代は移ろえど、駅はまだ此処に生きている。
( 地鉄電車で駅撮り三昧 おわり )
西魚津

早月加積

下段

西魚津
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