展示作品より 蒲原鉄道 高松 1985年
終わってしまえば後に残るものがない写真展にあって、人との出会いを残したいとは思っていたが、
想像以上に大勢の方とお会いする事が出来た。
もちろん鉄道そのものに興味があってという人は多いながら、
そういった趣味的なものを別にしても何らかの感慨をもってご覧いただいた方は多かったようだ。
遠い昔に後にした故郷の地名を見つけた人、都会育ちながら夏休みに訪ねた祖父母の暮らす田舎の駅を思い出した人、
貧しくもとびきり自由な青春の旅の記憶を重ねる人。
写真の時代をリアルに知る人からは「そんなに昔じゃないはずなのに遠い昔に感じる」という感想が多かった。
改めて見れば写真の風景は多分昭和20年代、30年代からほとんど変わっていない気がする。
「遠い昔」はそんなところから感じられるのかもしれない。
しかし脈々とこの国の風土の中に生き残ってきた風景は、その後あまりにも短い間に失われるものとなったし、
写真は同時に失われていった私たちの心の問題に気付かせるものでもあっただろうか。
疲弊する地方に都会から移住する人々が増え、新しい発想で豊かな地域づくりがインキュベーションされつつある、という話も聞いた。
過去との出会いで気付くものが新たな幸せのかたちを生み出す原動力にもなるならば、
記憶を刻むものとしての写真の可能性を信じてみたくなる。
明日(8/29)はいよいよ最終日。15時のラストまで在廊の予定。
写真展 「 旅のたまゆら 1981-1988 」 モノクロ 77点
◯ 開催期間 2016年8月16日(火)~8月29日(月) (21・22日は休館日)
◯ 開場時間 10時30分~18時30分 (最終日 15時まで)
◯ 場所 新宿ニコンサロン 新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28階 (新宿駅西口より徒歩5分)HPはこちら URLが変更になりました
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