夕張物語 その2    夕張は、倒れたままか。

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   夕張市本町   2016年7月







その背後にあったものは黒いダイヤの歴史が育てた成金的な退廃や、明日の命も知れぬ危険な坑内作業の日々にあって、

「宵越しの金は持たねえ」と刹那の浪費を厭わぬ炭鉱気質だったかもしれないが。

かつてエスカレーター付のデパートが夕張っ子の自慢だったという夕張本町中心部は、

冷え冷えとした廃墟が連なって時間を停めている。







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最盛期に12万の人口を抱えた炭都は閉山に伴う急激な人口減少に直面し、

乾坤一擲の逆転策として観光都市化に向けた巨大投資に賭ける事になる。

しかし場違いに瀟洒なリゾートホテルは、それ一点のみで垢抜けたリゾートを演出出来るほど甘くは無かったし、

その前に立つチャペル風の夕張駅舎は徒歩0分を目指して線路を短縮しここに移転したのだろうが、

中心市街地から見ればますます利用しづらい鉄道に変えた。

ジェットコースターやら豪華水上レストランやらこの酷寒の地にプールやら、贅を尽くしたテーマパークは瞬く間に客が引き、

その廃墟は原野に還りつつあるようにも見える。







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   石勝線夕張支線 鹿ノ谷   2017年6月






結果的に年間財政規模の8倍にも及ぶ353億円の財政赤字を抱え、全国唯一の財政再生団体として

世間の耳目に晒されたのはある種の「見せしめ」だったかもしれない。

しかしそれは野放図な一自治体の放漫行政の報いと言うより、疲弊するこの国の「地方」の、

何処にでも在り得る縮図のように思えてならないのだ。


破綻から10年、誰もやり手がいなかった夕張市長に東京都職員の身分を投げうち30歳で就任した青年をリーダーとして、

夕張は再建に奮闘している。

市役所職員定数はもちろん住民サービスの極端な削減に町を見限る市民も多かったが、

100億円以上の負債圧縮に成功した実績を認められ、新規投資を含め全てを封じられたような縛りが解かれつつある。

極めて低廉な公営住宅は新住民を呼び、石炭層の上に豊富に埋蔵されたメタンガスの採掘は、新たな産業として実用化を目指す。


夕張に夜明けはやって来るのか。

10年目の節目に最近作られた夕張市のPR映像。

「夕張は、倒れたままか。」で始まるそれは、浮ついた自治体PRとは一線を画して重く、力強い。














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「風太郎の1980年田舎列車の旅」

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[ 2017/06/15 20:03 ] 最近の旅 北海道 | TB(0) | CM(8)