時刻表の筆遣い

大蒲原 時刻表2 1983年2月 原版 take1b

   蒲原鉄道 大蒲原   1983年







蒲原鉄道の時刻表・運賃表はほとんどの駅でご覧の通り毛筆の手書きだった。

大判の半紙に墨黒々とした筆遣いはなかなかの達筆であるし、何より数字を漢字縦書きというのは今時映画のセット位でしか見ないだろう。

これを10駅分以上書いたのだからダイヤ改正毎の大仕事だったに違いない。

プロの筆耕屋さんに外注したという見立てもあろうが、多分鉄道員の手仕事だと思う。

何故ならこれには一部間違いがあるからだ。

「冬鳥越」駅は「土倉」と「七谷」の間にあるはずなのに「西村松」と「寺田」の間に書かれている。

うっかり何かの書き損じがあったのだろう。さてどうしたものか。

まさかこれ全部書き直せとか言わないよね、そうだ冬鳥越の運賃も150円だし、別にいいじゃん、ツッコミ入れる意地悪もいないだろうし。

というやり取りがあったか知らないが、「寺田」と共に上から紙を張り付けた形跡がある。

プロの納品物ならさすがにそういう訳にもいかなかったろう。

達筆自慢の鉄道員が毎回筆を走らせていたのだろうし、その人しかいないのだから周囲も何も言えず、という情景が目に浮かぶ。


しみじみ眺めれば1時間に1本の列車があった事が分かる。 上下併せれば30分に1本だ。

その運転密度こそ酔狂な写真撮りを喜ばす以前に、最後まで地元の生活の一部として機能していた証だろう。

ちなみにこれは上越新幹線の開通に伴う国鉄のダイヤ改正に合わせた時刻表だ。


加茂~村松間、全線の大部分はこの2年後、昭和60年の春に廃止になる。

昭和59年2月に再び国鉄の改正があって、それに合わせた書き直しがもう一度だけあったはず。

それがこの温もりある手書き時刻表の最後の一筆になった。







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「風太郎の1980年田舎列車の旅」

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[ 2019/01/31 20:03 ] 昔の旅 蒲原鉄道 | TB(0) | CM(2)