タブレット授受

磐越西線 タブレット授受2 198年 月 日 16bitAdobeRGB原版take2b4

  磐越西線 徳沢  1981年







さてタブレットの受け渡しを写真に撮るに、一番イケてるタイミングは何処か。


①駅員氏の伸ばした腕に助士氏が狙いをつけ、大きく乗り出してキャリアを構える、「前」。

②キャリアと腕が交差する瞬間の、「ビンゴ」。

③キャリアを放り込んだ後、フォロースルーを決める、「後」。


何を今更のボヤキ半分だが、風太郎は①ではないかと思っている。

張り詰めた緊張感のようなものが、助士氏はもちろん駅員氏の背中からも伝わるのではないか。

また構図的にも奥行きが出ると思うし。

②は決まればスゴイのかもしれないが、瞬きのように短い瞬間だけに実際には極めて難しいのは当然の事で。

③は・・・まさにこの写真である。


多分、②を狙ったと思う。 ファインダーの中ではジャストミート、「ビンゴ」だったはずなのだが。

賢明な諸兄は既にお察しの通り、一眼レフはミラーが上がりシャッター幕が走るまでのタイムラグが存在するから、

ファインダー上で視認していたようではダメなのだ。 結果、一番イケてないと思われる③になった次第だ。

未来位置を予測して早めになどという芸は無いばかりか、手巻き上げではこのワンショットが全てだった。

駅員氏が切れているのは限界まで構図を詰めたんだい、と言い張るにしても。


そんなジレンマは秒〇コマの高速連写が可能な現代のデジイチならかなりの確率で解決するだろうし、

なんなら①から③まで全て撮る事も訳は無い事だろう。

いやいや豊かな写材に恵まれるなら最新機材なんぞ要らねえよ、と啖呵を切るところだが、

両者がついぞ並び立たなかった感があるのも、「鉄道の写真」を巡る皮肉な運命だったように思える。


いずれにしても結構な速度での受け渡しというのは、勢い余って駅員氏の背中を打つようなキャリアの「踊り」からも察せられるし、

助士氏の手を離すタイミングが遅れれば駅員氏はそのまま後ろに昏倒するという想像は容易だろう。

鉄道現場につきものだった危険作業のひとつだったし、そこに働く者同士の素朴な信頼が前提の作業でもあったと思う。




閑話休題。

この写真のDD51をC57に置き換えたら、ただそれだけで何の違和感も無く10年時代を遡ったろう。

主役を除く蒸気機関車時代のほぼ全てが、何の演出でもなく残っていた不思議な時代だった。

いや、もうひとつ違うものがある。

若い助士氏のトップをペタンコに潰した制帽、必死につばを押さえてまであごひもなんぞ掛けないのは、

最末期の「国鉄職員」の、殊の外イケてるスタイルだった。






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「風太郎の1980年田舎列車の旅」

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[ 2019/06/02 17:21 ] 昔の旅 東北の国鉄・JR | TB(0) | CM(12)