写真展メイキング①    増量   

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大分先の事と鷹揚に構えていたニコンサロンの個展開催もあと4ヶ月後に迫り、

ニコン側で手配してくれるマスコミ向けパブリシティ用のコメント原稿やら宣材写真やらをもう用意しなくてはならず、

案内ハガキの制作も始まる。そろそろシフトアップしなくちゃいけない。もちろん肝心なプリント作業も。

全て自費でやるのと違ってスポンサーが付いているのは大いに助かるのだけれど、

その分責任もあるのでちょっとプレッシャーも掛かってきたところ。


プリント作業は慌てたくないのでぼちぼちと始めているのだが、大伸ばしを並べるにつれ、ちょっと腕組みもしてしまう。

1980年代のモノクロ写真での構成は決まっているのだが、当時の写真はいわば旅の徒然のスケッチというべきもので、

鉄道員やら利用客やらその土地の風土やらに対してそれほど深い突っ込みや掘り下げがある訳でも無く、心象風景としても中途半端で、

一発ノックアウトで黙らせるような写真の質が一枚一枚に担保されているかというと、正直自信が持てないところもある。

もちろん決定的一枚に全てを語らせる見せ方もあれば、写真の量の集積があってこそ表現できる世界観もあり、

本来写真展の役割とは後者だろうと思う所もあるのだけれど、ともすれば漠として取り留めのないイメージを、

狭い(訳でも無いが)会場内に押し込めるのもなかなか難儀な事と気付くのだ。


しかし今更タイムマシン利用の撮り直しが出来る訳でも無く、あるもので勝負せざるを得ないなかでの結論は、

「この国の片隅で鉄道がそれでも日々の暮らしに寄り添っていた時代の、駅舎の隅に宿っていた空気感、湿度感」を、

見る人がしばし体感していただけるならそれで充分ではないか、という事。

妙な形而上学を後付けしても上滑りするばかりだし、若い日の自分が異邦人の如く体験した皮膚感覚が

写真の何処かに書きこまれているなら、それは過去からの手紙として何かを伝えてくれるのではないかと。


ただその空気の濃度を上げて何らかの説得力を持たせるに肝要な事は、「情報の絶対量確保」ではないかと思うに至り、

平たく言えばニコンの審査に提出した「50点」を大きく超える展示点数の「増量」をニコンに泣きつく事とし、何とか了解を取り付けた次第。


アレもコレも並べて結局何が言いたいのか、テーマがぼやけるリスクとも隣り合わせで、それは見る人の評価を甘んじて受けたいところだが、

かの森山大道さんも「量の無い質は無い」と語っておられる事だし、計りようのない質の在る無しに悩むより、量の説得力に賭けてみようかと。


ということでA3ノビ中心に都合70点は並べる事にした。

まともなら40点位しか並ばないスペースだから展示も結構掟破りになるかもしれないが、変わった事をするワクワクもなかなか捨て難く。

あと4ヶ月、滅多に経験出来ないプロセスを自身の覚えも兼ねて時折メイキングに綴りつつ、じんわりと楽しみたいと思う。










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ぐああっ、空インクカートリッジの山は何処まで積み上がるのか。

こっちも「増量」してもらいたいもの。

エプソン!ご祝儀持ってこいや!








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「風太郎の1980年田舎列車の旅」

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[ 2016/04/16 18:57 ] 写真展 | TB(0) | CM(10)

風太郎様

ニコンサロンの個展開催 4ヶ月後なのですね
スポンサーが付いているのですね
風太郎様なら そうですよね
不思議ではありません
これからも 順次 ご報告下さいね

最後のお写真
空インクカートリッジの重ねた被写体
風太郎様は このような日常品まで素晴らしい描写です
感嘆するばかりです
[ 2016/04/16 20:02 ] [ 編集 ]

写真展


りらさま

8月のお盆明けに新宿でやります。テーマは「1980年代」ですね。
なかなか準備に骨が折れるのですが、楽しみつつ進めるつもりです。
ご都合がつきましたらご笑覧下さい。
[ 2016/04/16 22:11 ] [ 編集 ]

饒舌な感動

風太郎さま

良いんではないでしょうか!?
その時、その時シャッターを切った感動が有るのですから
思いのたけを饒舌に並べてください。
50代と20代では考えていることも違うでしょうしね。
[ 2016/04/16 22:14 ] [ 編集 ]

こんばんは。
 ニコンで個展なんてすばらしいですね。
 こういうのは、ネガを渡して、主催側が勝手にプリントしてくれるのかと思ってましたが、自腹でやるのですか。たいへんそうですね。それと、今どきはやはり、インクプリンターによる出力紙の写真というのも驚きです。ニコンでさえ、もう印画紙は使わないというのは、少し寂しい気もしますが、、そうは言っても、こういう時代ですからね。 いやー、とにかくプレッシャーがおありでしょうが、できるものなら買って出たい苦しみでもあります。
[ 2016/04/16 23:10 ] [ 編集 ]

時代の立ち位置

狂電関人さま

もともと人様にお見せするようなものとは露ほども思わず、自分だけの思い出として墓場まで持っていくつもりだった写真ですから、
今更格好つけようなどと考えるのが僭越なのだと思いますが、やっぱり世の中の各方面から見られることになるという実感が、
嬉しいというより怖いところもありまして。
でもそういうビビリも含めて滅多な事では経験できないのですから、開き直りも含めて楽しもうかと。

齢を重ねて自分の写真の解釈も変わりますが、それ以上に時代の移ろいが写真をどう解釈するのか興味があるところです。
歴史に近い昔になったようで、実は現代にも糸が繋がるような不思議な立ち位置にあるような気がしますよ、僕たちの時代は。

[ 2016/04/16 23:42 ] [ 編集 ]

写真展


haradaさま

ダメモトで応募してみたら審査に通っちゃいまして。
写真展というのは究極の道楽のようなところがあって、都心の大型ギャラリーで2週間近く開催となれば下手すりゃ「百」の費用が掛かります。
その点メーカー系ギャラリーは基本的にタダなので助かるのですが、さすがにプリントは自前です。
まあプリント仕上げまでが創作ですから、作者が責任を持つのは当然と言えば当然であります。

ニコンサロンのモノクロ写真展も、今や圧倒的にインクジェットプリントのようです。
暗室での大伸ばしなど体力も気力も技術も、という状況ですし、インクジェットならではの可能性にも賭けてみたいと思っています。
[ 2016/04/16 23:56 ] [ 編集 ]

おめでとうございます。

こんにちは。
待望の個展、それもニコンサロンでとは素晴らしいですね。
新旧の鉄道の変遷や四季折々の風太郎さん美学が込められた写真の内容もさることながらプリントの出来映えを拝見するのも楽しみです。
近くなりましたら私のブログやFacebookで大いに宣伝させて頂きますがまだ4ヶ月あるのでしたら是非Facebookに登録されて友達を増やしておかれるといいと思います。
鉄道関係のグループもいくつかありますので全部に登録され写真を発表されればたくさんの友達が出来て都内や近県の人たちが大勢来てくれることと思います。
是非ネットを活用されることをお勧めします。
[ 2016/04/20 19:17 ] [ 編集 ]

有難うございます


長谷川雅一さま

有難うございます。
長谷川さんのコニカミノルタの写真展を拝見してヨシ俺も、と身分不相応な事を思いついたのがきっかけです。
そう言う意味では長谷川さんのお蔭でもあります。
プリントの出来栄え云々は汗顔の至りのところがありまして、なるべく大らかな目で見て頂きたいと思っております(笑)
いずれにしても滅多に出来ない事ですからプロセスも含めて楽しみたいと思います。いろいろアドバイスも頂けると有難いです。
[ 2016/04/20 21:04 ] [ 編集 ]

期待

こんばんは。

インクカートリッジ、凄いですね・・・

それにしても風太郎さまのモノクロ写真が、
大きな紙ベースで拝見できるのは本当に楽しみです。
70点を作成するのは大変でしょうが、期待しております。
[ 2016/04/21 21:45 ] [ 編集 ]

開き直り


いぬばしりさま

銀塩時代の伸ばしはせいぜい四つ切程度だったので、それ以上のサイズで見るのは新鮮で自分の写真ながらワクワクするところもありますね。
ただ小さなサイズでは分からなかったピンボケだの手ブレだのというアラも目立ってくるのはガックリなところもあるのですが、
写真の本質には関係なしと開き直っています。
1m以内に近づかない事と注釈を付けたい写真もあるのですが、それも含めてご笑覧いただければと思っております。
[ 2016/04/21 23:19 ] [ 編集 ]

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