写真展   「 旅のたまゆら  1981-1988 」      地域交通

日中線 車内3 198年月 16bit AdobeRGB 原版 take1b

    展示作品より    日中線   1984年







写真は日中線の多分623列車。1日3往復しかなかった同線の真ん中の1往復である。

当時どんな過疎路線でも1日3往復は珍しかったから国鉄も嫌々走らせていたというのが実情だろうが、

こうして写真を見ると結構乗客はいた事が分かる。

車掌が車内補充券を取り出しているのを見れば途中の無人駅からの乗車もいたのだろう。

日中線はこの数か月後に廃止になるのだが、当時の喜多方~熱塩間11.6kmの運賃は180円。

併行して走っていた会津乗合自動車のバス運賃は喜多方~熱塩温泉間で460円。

こちらは1日10往復とフリークエンシーは圧倒的ながら3倍近い運賃格差を見れば「国鉄」の安さが際立つ。

当時毎年のように運賃値上げを繰り返した挙句でもこれである。

ローカル線の主役と言えた高校生の通学定期券となれば割引率の違いもあって、その差は途方も無いものとなった事だろう。

「もう仕方ないべさ」と廃止に半ば諦め気味だった沿線も、高校生の通学費用問題は最後まで頭を悩ませたようだ。


当時の国鉄は様々な不合理を抱えていた事は事実だが、国民の共有財産として極めて安価に地域の足を提供することにより、

様々な意味でその土地の暮らし易さに貢献し、それは結果的に美しい国土と地域生活を守っていたとは言えまいか。

今、関連事業も含め都市部の鉄道が生み出す巨額の利益の影で、

その端にも満たぬ赤字額により消えていく地域交通には大いなる疑問を抱かざるを得ないし、

それは際限なく拡がる都市と地方の格差の縮図のように見える。

「美しい日本」などと叫ぶならば、輝くような高速道路や新幹線の傍らで荒廃していく国土と地域をどう処するのか。

それは国家の大計として捉えるべきである。


明日(8/27)から最終日まで毎日在廊します。



写真展  「  旅のたまゆら  1981-1988  」    モノクロ 77点 

◯ 開催期間  2016年8月16日(火)~8月29日(月)  (21・22日は休館日)

◯ 開場時間   10時30分~18時30分  (最終日 15時まで)

◯ 場所     新宿ニコンサロン   新宿区西新宿1-6-1  新宿エルタワー28階   (新宿駅西口より徒歩5分)






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「風太郎の1980年田舎列車の旅」

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[ 2016/08/26 21:13 ] 写真展 | TB(0) | CM(12)

旅のたまゆら

昨日は、楽しいひとときをありがとうございました。
あのあともしばらく「時間旅行」を楽しませていただきました。
鉄道が誰のものであったのか、そのことを改めて考えさせてくれる写真展であったとも思います。
「おおみさき」と「停車場より」は、やはり秀逸ですね。とても気に入りました。
この二枚だけを並べてもよかったかな、とも思ったりしました。
それにしても風太郎さんよりも先に旅をはじめた人間として、どうしてもっとその土地の日常を鉄道とともに切り取らなかったのか、とても悔やまれます。
車両好きか、旅が好きか、その両方なんでしょうが、軸足の置き方の違いが被写体の違いとなってあらわれてしまったようです。
いまとなってはもう戻せない時間ですが、私も刺激されて、ちょこっとだけブログでまねごとをさせてもらいました。
されど写真の少なさもあって、風太郎さんの足もとに及びません(恥)
[ 2016/08/26 22:24 ] [ 編集 ]

文化の深化


まこべえさま

こちらこそお会い出来て良かったです。意外な事実も判明して世の中は狭いものですね。
写真展のご紹介もいただき有難うございます。少し照れますが。
ブログも拝見しました。増毛の写真が印象に残りました。
私が行った頃は余計なものが建ち過ぎていたのでしょうか、こんなアングルは見つからなかったような。
北の湊に生きる厳しさや逞しさが蒸気機関車の姿とダブりますね。

蒸気機関車を失った時代、鉄道の写真は創造性も失っていた気がします。
ありきたりな鉄道の写真に足りないものは何なのか、無意識に探していたようです。
当時鉄道派からも非鉄道派からも理解されず、多分人に見せる事などない写真と考えていましたが、
今此処へ来てよく撮ったとお褒め頂く事が多いのは、
写真表現に対する世の中の懐が拡がり、鉄道の写真が社会と時代を表現し得ることが理解された結果かと思うのです。
つい昔は良かったと嘆き節が多くなってしまいますが、それが文化の深化というものなら、
現代は意外に面白い時代になっているのかもしれません。

また昔の写真も見せて下さいね。
[ 2016/08/27 00:09 ] [ 編集 ]

日中線

風太郎さま
日中走らないのに日中線と良く揶揄されてましたねぇ。
まもなく廃止と思えない車内風景は、やはり当時の地方行政の犠牲となった
ローカル線の実情そのものが窺い知れますね。
追伸;今宵の宴、参加できないのが残念です。
[ 2016/08/27 09:49 ] [ 編集 ]

風太郎様。
確かに、交通事情が貧弱な地方にとって、都市部と同じ高度な鉄道システムをもたらした国鉄の役割は大きかったと思います。
ある意味では、交通手段における富の再分配であり、社会的意義や役割の方が大きかったと感じます。
戦後、モータリゼーションと都市人口集積化、自動車の輸出を中心とする自動車立国の流れは、
地方鉄道のありかたを根本的に変えてしまい、現に、100年近く前の老朽化した鉄道遺産(設備)で運行をしているのも、
全国の地方ローカル線の実情であり、今後の心配な点でもあります。
高齢化社会を迎え、自動車の利点も活かしつつ、地方鉄道にも、ある程度の一貫とした国の施策が必要かと。
ps 地方鉄道施策が進んでいる欧州(ドイツ・スウェーデンなど)も、大いに参考になると思います。
[ 2016/08/27 18:14 ] [ 編集 ]

:風太郎様

網棚の下
窓の外を見る 男の子
手前 撮影者を見ているかのような幼い男の子
不思議な気がするのは その二人の間にもう一人いることです
どのようにして座席にいたのか 考えています
[ 2016/08/27 19:34 ] [ 編集 ]

またまた

お邪魔してしまい失礼いたしました。

写真展はしごの挙句、金澤さん、あらさん、岳人さん、
そしてくろくまさんも登場して、
にぎやかな宴となりました。

明日は野口さんがそちらを覗きに行く予定だそうです。
野口さんと風太郎さんは割合撮りの狙いが共通しているので、
出会いが楽しみですね。
[ 2016/08/27 21:55 ] [ 編集 ]

こんにちは

息子たちが息子たちだけで旅に出て
それぞれに撮った写真の数々を見るたびに どんな風景に心とめてそれを撮ろうとしたのか とか
何に惹かれてこんなにこれを撮ったのか とか 
あらかじめ描いていた絵と そのとき「あ」と思った瞬間の光景とが見えて
それぞれのきもちを想像しつつ 写真って豊かだなとつくづく思います

高速道路や新幹線のかたわらで 古い線路古い車両をそれなりに守り続けた地方の鉄道も
自然災害のまえに脆く 崩れた線路に対してこれ幸い儲けのない鉄路はこのまま適当な理由つけてなくしてしまおうと
実際事を運んでいるものもいるんだろうと憶測して嫌な思いをし
思っていた通り、やれもう終わったなとかやれもう陸の孤島だねとか 言葉の後ろに(笑)やwwwなどとつけて茶化すものが出ることにもため息
昔はよかった 確かに こころ配りしあいの日々だったように思います
こういうと理論派の人からは馬鹿にされるんですけれどもね

私らは 雨の中だって雪の中だって生きてきたんだ と
写真展に掲げられた白黒のお写真に 勝手に自分の感情を重ねて

写真展残念ながら見に行けませんがこちらでその世界にひたらせていただいております




[ 2016/08/28 00:48 ] [ 編集 ]

写真が語る


狂電関人さま

熱塩発の一番列車は2両の客車に座りきれない程の乗客が居たとか。
現代に生き残ったローカル線より余程乗客の影が濃いのは、皮肉と言わずに何と言わんや。
時代の証人たる写真が語る事実と、きちんと正対するべきでありましょう。
[ 2016/08/28 00:54 ] [ 編集 ]


hmdさま

長い歴史を重ねたインフラをいとも簡単に潰してしまうのではなく、
それをどう再活用するかの議論と行動が余りにも足りないように思います。
自宅から駅まで遠いならそこまで自動車利用も良し、
公共輸送としての有用性と経済優位性が確保出来ているなら、
ローカル線は言われるほど不合理なものでは無いように思いますね。
まず必要なのは国土と地域を保全するための国家的なグランドデザインです。
[ 2016/08/28 01:10 ] [ 編集 ]

窓の外


りらさま

皆シートの上に立って窓の外を眺めているのでしょうね。
昔は都会の電車でも良く見られた子供の仕草、
最近ではいつのまにか見なくなったような気がします。
[ 2016/08/28 08:21 ] [ 編集 ]

同時開催


マイオさま

そちらの写真展から流れて来る人達も多数。
随分話題にして頂いているようですね。
同時開催で良かったです。私は自分の写真展から離れられず失礼してしまいそうですが。
[ 2016/08/28 08:27 ] [ 編集 ]

人生を乗せて


Jamさま

>私らは 雨の中だって雪の中だって生きてきたんだ

お言葉がずしりと響きます。
リアルな問題としてローカル交通、ひいては地域生活の衰退に直面している方々の叫びのように聞こえました。
瀟洒な豪華列車やイベント列車が単なる娯楽とすれば、
名も無いローカル線の普通列車は「日々を生きること」そのものです。
何の変哲も無く繰り返される日々にこそ人生の楽しみ苦しみ、喜びと悲しみが宿るもの、
ローカル線はそんな人生を乗せているからこそ写真に残す価値があると思っています。昔も今も。
写真展がそんな人生の滋味をも描けていたのならいいのですが。

遠方ゆえ残念とのお声は結構頂いているので、「デジブック」なるものを作り掛けています。
タダ会員ゆえ枚数の制限や期間の限定があるのですが、リアル写真展が終了したら公開しようと思っています。
 
[ 2016/08/28 08:59 ] [ 編集 ]

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