千綿駅   その2

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   大村線 千綿   2016年5月







前回にも書いた通り、この駅舎は1993年の「新築」である。

それでも旧駅舎を忠実にトレースしているのは疑い無かろうし、

細かな建具に至るまで再現するのは手間も金も掛かった事だろう。

地元の人々のこの駅舎に対する愛情の深さが沁みて来る。

それから数えても23年の時は流れ、歳月は再び時の年輪を刻んだのではないか。


古いものばかりを礼賛するつもりも無いが、小奇麗なプレハブ新駅舎に建て替わるもその後無残に朽ち果てる様を見慣れれば、

結局モノへの愛情というものは、それに託された遠い記憶の総量に比例するものかと思う。

悲喜に関わらず人生の節目にあったはずの駅舎には、いつしか深い念が宿るものかと。

それを簡単に断ち切る事は取り返せぬ大切なものを同時に失う道と知るべきだろう。

生まれ変わった千綿駅は今もこの海原に臨んで建つ。

90年分の朝と夜、積み重なった想いを継いで。







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「風太郎の1980年田舎列車の旅」

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[ 2016/10/07 23:01 ] 最近の旅 西日本 | TB(0) | CM(6)

海が見える待合

なかなかメジャーなところに行かれましたね。青春きっぷの効果もあって大変な人気だそうで。
その昔、大村線撮影の際に寄ったことがあります。駅舎は小さく綺麗になっていますが、昔の趣が残っています。
旧駅舎は駅前と同じ高さでしたから、待合からは海は見えませんでした。ホームへ上がると目の前に海が開けました。
正面の駅名票はひらがなで、改札口にはよく子供たちの遊具になっていた、使い込まれた鉄棒のラッチがありました。
それにしても、駅舎を絶妙の高さにしたものです。カフェがあるそうなので、計算通りといったところでしょうか。
駅を建て直す際に色々と知恵を絞ったのでしょう。資源を生かすも殺すも努力次第ということですね。
[ 2016/10/08 12:34 ] [ 編集 ]

原型


こあらまさま

建替え前の千綿駅、想像するしか無かったのですが貴重なお話有難うございます。
これだけ拘った建替えならそっくり「原型」をトレースしたものと思っていたのですが、
変わったところもあるのですね。かさ上げは多分建替え時のものと想像がつきましたが。
いずれにしても待合室からでは海はほとんど見えません。
新設したスロープの関係もあってこれ以上のかさ上げは出来なかったのかもしれませんね。

カフェは営業していました。その関係か丸テーブルとか余計なものもあるのですが、あまり贅沢は言えません。
観光客は結構やって来ていますが、高校生をはじめ土着の駅としても立派に生きているようです。
[ 2016/10/08 15:04 ] [ 編集 ]

風太郎様
再建木造駅舎としては、真正面から潮風に当てられている為か、歳月以上の風合いに感じます。
本瓦葺き、木枠窓や白漆喰壁も再現され、かなり丁寧な造りに驚きです。
明治後期から昭和初期にかけて、次々に開業した地方ローカル線の鉄道設備老朽化問題も切実になっておりますが、
この千綿駅と地元自治体の取り組みは、鉄道遺産保存として数少ない好例かと。
正直、地元の経済的余力と理解のあるキーマンがいないとできないですね。
大概は、鉄道会社の提案が素通りで、固定資産税節税対策で安価な待合所になる事が多いので・・・。
無人駅舎のテナントも賛否両論ありますが、厳しい現実を鑑みれば、
元のイメージを大きく壊さない程度であれば、良いかとも思います。
家賃収入は保存維持費の足しになりますし、長い目で見れば、保存状態も保たれるかと。
それも、現代の人と駅のドラマなのかもしれません。
[ 2016/10/08 19:06 ] [ 編集 ]

存在意義


hmdさま

つまらんハコモノの馬鹿馬鹿しさはようやく何処の自治体も学習したように思うのですが、
木造駅舎程度なら遥かに安く、遥かに話題性や観光効果もあると思いますがねえ。
鉄道会社との関係で言えば、千綿駅は1971年という古い時代に町の所有物としたのが「勝ち」だったのではと。
多分つまらんプレハブに変わる危機だったのでしょうね。今のJRなら売ってくれと言えば喜んで、かとも思いますが。
カフェは家賃収入という程の収益が期待出来るとも思いませんが、やはり建物は人が居てこそという手入れの良さを感じましたから、
そういった面での存在意義はあるのだろうと思います。
時代は変わりました。旅情というものの捉え方もまた、別の物差しが必要なようです。
[ 2016/10/08 20:27 ] [ 編集 ]

風太郎様


一枚目
海の匂いがしてきます
その下には僅かなスペースながらホーム
その上には空の気配がします
海岸線に沿ってある駅舎なのだと一目で理解に及びます

二枚目
ガラスに映り込んだ海と空・・・・
目を惹きます
[ 2016/10/09 20:43 ] [ 編集 ]

煌めき


りらさま

遮るものの無い海原に臨んで建つ駅は、朝な夕なの光に抱かれる事にもなります。
目を閉じれば遠い過去に誘われるような海の煌めきです。


[ 2016/10/09 22:00 ] [ 編集 ]

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