しまんと雨情  その5    最後の清流

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    予土線 半家    2016年







「最後の清流」「日本三大清流」、四万十川を讃える枕詞は数多い。

もともと古くから「渡川」という地味な名前で呼ばれていたが、旅番組の題材を求めるマスコミや

観光に活路を見い出したい地元にとってはある種の神格化が必要で、

別の通称だった「四万十川」という風格のある名前に国交省の正式名称さえ変えさせたのは、観光資源としての演出でもある。


実際に行ってみればあっけない程平凡な田舎の川である。

四国の最長河川の割には本格的なダムが無いというのは本当だが、その水質は科学的な分析では取り立てて高質という事でもないようだ。

流域では結構最近まで生下水が直に放流されていたらしいし、「最後の清流」はマスコミが振りまいた幻想と言えなくもない。

しかし川の名誉のために敢えて言えば、四万十川の本領はむしろ「支流」にある。

豊富な湧水に恵まれたこの地では数多くの支流が形成されその清冽な流れは途中から次々と本流に合流する。

川本来の自浄作用が機能している証しとして天然のアユ、ウナギ、テナガエビ、川海苔等を産し、

現代にあっても川漁で生計を立てる人が日本有数に存在するのもまた事実である。


人間達が後付けした評価がどうであれ命を繋ぐ糧を恵み続けた流れは泰然自若に滔々として、

それは「母なる川」と呼ばれるに相応しい。


雨粒が波紋を開く川面に魚影を求めるサギ。

存在を消すように静止した優美なS字の首は、その瞬間を待つ張りつめた生命のかたちでもある。








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「風太郎の1980年田舎列車の旅」

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[ 2017/01/11 23:36 ] 最近の旅 西日本 | TB(0) | CM(4)

風太郎 様

一枚目
橙色の前照灯が森林の中 キラリと輝いていますね
「四万十川」の詳細な説明文 拝読させて頂きました
この自然も人間との関わりの中で紆余曲折あったのですね

二枚目
美しい水面 その傍でサギがその日の糧を得るための準備をしているようですね
人間のように蓄える術を知らないサギはこの日だけの糧しか求めません
人間も原始そうだったのだとこのサギの姿から思い至りました
[ 2017/01/12 19:53 ] [ 編集 ]

ハエタタキ

風太郎さま

四万十の豊富な生物たちは、観光で小舟に乗って目の当たりにしましたよ!

それはさておき、整然と居並ぶハエタタキの方に興味津々(爆)

[ 2017/01/12 21:16 ] [ 編集 ]

命を育む川


りらさま

川辺はおろか川底さえもコンクリートで固められ「排水路」と化した川が多い中で、
こうして野生の命を育む川はそれだけで貴重なものなのでしょう。
旅番組に刺激されて見に来てもつまらない川の様に思うのですが、
自分なりの視点を持てばこの川の持つ深さが実感できますね。
[ 2017/01/12 21:40 ] [ 編集 ]

ハエタタキ


狂電関人さま

ハエタタキとはまたディープなところに目を付けましたな。
駅間の通信というものが形を変えた今、特にローカル線では絶滅したように思うのですが、
何故ここに生きてるのかは謎ですねえ。
[ 2017/01/12 21:44 ] [ 編集 ]

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