北の細道   その15      明日萌こと恵比島

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   留萌本線 恵比島     2017年2月







突然のように天下の全国放送、それも視聴率30%近い国民的番組の撮影が始まるとは、ささやかな集落もさぞやど胆を抜かれた事であろう。

1999年放送、NHK朝ドラ「すずらん」の舞台である。鉄にとってもSL「すずらん号」が走るという余録があったからご記憶の方も多いかと思うのだが、

勤め人の風太郎としては朝ドラと縁を作るのは難しく、また鉄道へのテンションも最低の時期だったからあまり見た記憶が無い。

ストーリーとかを知るにつけ、見ときゃ良かったとちょっと後悔もある。 (スピンオフした映画版はずっと後になって見たが)

駅のベンチに置き去りにされた赤子の母親探しと、それを養子として引き取った駅長、そして戦前から戦後にかけた北海道の片田舎の盛衰を描く物語。







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ロケ現場は留萌本線恵比島駅そのものと駅前周辺。

既に不粋なダルマのヨ駅舎になっていたのだが、木造駅舎はダルマのヨ駅舎を覆うように建てられ (つまりは外見だけ、内部はスタジオ撮影だったという事か)、

駅前には町並みのセットが多数作られた。内部まで備えた駅舎が本格的に再現されたのは、観光資源化を当て込んだ地元の意向によるもので後の事である。

残念ながら冬季は非公開のようで、外から窓越しに見学。





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振り返れば目が合ってドッキリ。萌ちゃんですね。



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駅長さんもいらっしゃいます。橋爪功に似てるかな。



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ドラマの設定そのままの、石炭産業という時代の盛衰をまさに体現した土地である。

1971年まで「留萌鉄道」の大規模なターミナル駅だった。最盛期の年間旅客輸送量は45万人に達したという。

駅舎の向こうには広大なヤードが広がり、鉱山関係者もいれば一攫千金を夢見る山師や様々な商売人もこの駅前を賑わした事だろう。

今、深閑と雪に埋もれた駅前にその残滓すら見つける事は難しい。


国鉄からの払い下げなんぞ当てにせず、当時しては最新鋭の気動車を何両も自社発注した羽振りの良さはまさに黒いダイヤの為せる技だが、

その後の閉山補助金政策は産炭地の事業意欲を急速に失わせ、雪崩を打つようにヤマの灯は消え鉄道もまた運命を共にした。

まだ車歴の浅かった「新鋭気動車」たちは海を渡って茨城交通(現ひたちなか海浜鉄道)に引き取られ、

故郷を遠く離れた関東の地でつい最近数奇な生涯を終えたのは周知の通り。


此処がロケ地に選ばれたのは、幸か不幸か駅前に大規模な町並みのセットを作り得る程の大きな空地があったからではないか。

そのぽっかりと口を開けた空白こそがこの土地を通り過ぎていった歴史のうねりを黙して語るのだ。

元駅前旅館の古い建物だけはセットでは無い。時代の証人の如くひとり此処に在って、まだ遠い春を待っている。







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「風太郎の1980年田舎列車の旅」

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[ 2017/04/16 19:46 ] 最近の旅 北海道 | TB(0) | CM(2)

すずらん

風太郎さま

9時半始まりのギョーカイでしたから、おしりすこし欠けますが
ずっと見てました。
さすがNHKの財力ですよね。
話は変わりますが、今の「ひよっこ」は、久々に実在人物ネタではないのですが
なかなか面白いです。
有村架純さんの演技も良いし、タイトル歌の桑田圭祐さんの歌が泣かせますよ!
[ 2017/04/17 17:47 ] [ 編集 ]

ドラマの舞台


狂電関人さま

映画とごっちゃになっていなければいいのですが、
明日萌駅の今を訪ねた倍賞千恵子の「此処から私の人生が始まった」というセリフと、
寒々しい雪景色の駅が一面のすずらんの群落に変わるラストシーンだけが記憶に残っています。
この駅前は何かリアリティがあり過ぎて心に沁みます。

当時は遠距離通勤故朝ドラは縁が無かったのですが、今は余裕で見られますから寝坊せずに朝ドラも見ましょうかね。
「あまちゃん」みたいなストーリーのようですね。
実在の人物をモデルにすると半年間話の膨らみを維持できない感じもしますので、フィクションの方がいいのかも。
[ 2017/04/17 22:00 ] [ 編集 ]

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