夕張物語 その2    夕張は、倒れたままか。

yubari_16012take1b.jpg

yubari_16032take1b.jpg

   夕張市本町   2016年7月







その背後にあったものは黒いダイヤの歴史が育てた成金的な退廃や、明日の命も知れぬ危険な坑内作業の日々にあって、

「宵越しの金は持たねえ」と刹那の浪費を厭わぬ炭鉱気質だったかもしれないが。

かつてエスカレーター付のデパートが夕張っ子の自慢だったという夕張本町中心部は、

冷え冷えとした廃墟が連なって時間を停めている。







yubari_16044take1b.jpg

yubari_15996b.jpg






 
最盛期に12万の人口を抱えた炭都は閉山に伴う急激な人口減少に直面し、

乾坤一擲の逆転策として観光都市化に向けた巨大投資に賭ける事になる。

しかし場違いに瀟洒なリゾートホテルは、それ一点のみで垢抜けたリゾートを演出出来るほど甘くは無かったし、

その前に立つチャペル風の夕張駅舎は徒歩0分を目指して線路を短縮しここに移転したのだろうが、

中心市街地から見ればますます利用しづらい鉄道に変えた。

ジェットコースターやら豪華水上レストランやらこの酷寒の地にプールやら、贅を尽くしたテーマパークは瞬く間に客が引き、

その廃墟は原野に還りつつあるようにも見える。







yubari_16028b.jpg

yubari_15979take1b.jpg
 
   石勝線夕張支線 鹿ノ谷   2017年6月






結果的に年間財政規模の8倍にも及ぶ353億円の財政赤字を抱え、全国唯一の財政再生団体として

世間の耳目に晒されたのはある種の「見せしめ」だったかもしれない。

しかしそれは野放図な一自治体の放漫行政の報いと言うより、疲弊するこの国の「地方」の、

何処にでも在り得る縮図のように思えてならないのだ。


破綻から10年、誰もやり手がいなかった夕張市長に東京都職員の身分を投げうち30歳で就任した青年をリーダーとして、

夕張は再建に奮闘している。

市役所職員定数はもちろん住民サービスの極端な削減に町を見限る市民も多かったが、

100億円以上の負債圧縮に成功した実績を認められ、新規投資を含め全てを封じられたような縛りが解かれつつある。

極めて低廉な公営住宅は新住民を呼び、石炭層の上に豊富に埋蔵されたメタンガスの採掘は、新たな産業として実用化を目指す。


夕張に夜明けはやって来るのか。

10年目の節目に最近作られた夕張市のPR映像。

「夕張は、倒れたままか。」で始まるそれは、浮ついた自治体PRとは一線を画して重く、力強い。














HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
スポンサーサイト
[ 2017/06/15 20:03 ] 最近の旅 北海道 | TB(0) | CM(8)

風太郎様


動画拝見しました
メンバーが北海道生まれGLAY の代表曲「BELOVED」が使用されていますね
リーダーのTAKURO さんからスペシ ャルメッセージが到着の動画も拝見しました
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2017」が開催されていますね

10年目の節目に最近作られた夕張市のPR映像・・・・
感動しました お知らせ下さりありがとう
以前から鈴木 直道市長の夕張への取り組みには感心を持っていました
今回の風太郎様の記事も興味深く拝読させて頂きました
昨年今年と夕張に行って下さり 有難う
意義深い撮影となりましたね
次のアップもお待ちしていますね
[ 2017/06/15 21:11 ] [ 編集 ]

バーサレツアー

風太郎さま

突然の鉄研隠語で失敬いたしました。
でも、お連れならずしもバーサレ(=この世のものじゃないもの)ツアーは
袖を引いて怖がられますよ。
[ 2017/06/15 21:13 ] [ 編集 ]

閉塞を破るもの


りらさま

それでも9千人の人口が居るのですから、北海道の自治体として小さい訳ではありません。
他所の土地から来た故の強みもあると思うのですが、若き手腕には地方の閉塞を破るエネルギーを感じますね。
風太郎の写真は何よりその土地に撮らせてもらっていると思っていますから、無関心ではいられません。
[ 2017/06/15 21:57 ] [ 編集 ]

墓場を超えて


狂電関人さま

ちゃんと昼間はメロン食いまくりに付き合って、早朝ガチ撮影の努力をしてるんですよ。
やっぱり栄華のあった土地は廃れ具合も迫力があります。
夕張は鉄道から何から町全体が墓場でもあります。でもこれ以上失うものが無くなった者の強さも信じてみたいのです。
[ 2017/06/15 22:04 ] [ 編集 ]

夕張は倒れたままか

こんばんわ。
いつも風太郎さんの物の見方に共感を覚えながら拝見しています。
今回のインパクトは大きく、鉄道に興味が無い人にとっても、十分読み応え見応えのあるメッセージだと感じました。
メールコミュニケーション仲間にもURLを転送し薦めました。
ではまた。
[ 2017/06/15 22:11 ] [ 編集 ]

風や土の匂い


lofthonsenさま

有難うございます。
寄るべき土地の無い鉄道は無い訳で、鉄道をその土地から切り離して捉える事は昔から出来ません。
それは風や土の匂いがするようなレイアウト作りにも通じるんじゃないですか。ただ車両模型だけを見てもそれは月面にあるようで。
PR映像、なかなか感じ入るものがあります。もっと多くの人に見てもらいたいと思いますね。
[ 2017/06/15 22:55 ] [ 編集 ]

攻めの廃線

九州の炭都は何とか生き延びましたが、北海道ではそうは行かなかったということでしょう。
人口がシュリンクする時代にあって、居住地の集約化は避けて通れないことかもしれません。
ましてや、産業構造の変化による町の盛衰は、町が生きていく上での生理ともいうべきものです。
住民は年金受給者ばかりという町や村が増えています。次の世代の時代には多くの町村が消えているということです。
町が存続することの意味って何なんでしょうか。夕張は良きにつけ悪しきにつけ色々な問題を提起しました。
鹿の谷の現在はこんなですか。夕張鉄道の方が利用されていたように思いますが、とっくの昔に廃止です。
旧夕張線が、石勝線の支線として生き延びてこられたのも、何とも不思議ですが、いよいよ「攻めの廃線」ですか。
[ 2017/06/16 00:04 ] [ 編集 ]

里山のコミュニティ

こあらまさま

ローカル線の旅はこの国の「地方」のリアルを体感する場でもあります。
単なる行政的効率論であればいっそ全てを都会に集約してしまうのが賢明のようにも見えますが。
しかし都会で家賃やローンの為に人生を費やして働く事が、全ての人にとっての幸せかと。
ヨーロッパには村民数百人程度の中世から変わらぬ独立社会があれば、日本にも古くから里山のコミュニティがありました。
ささやかなコミュニティを維持するための最低限のコストのみを掛け、そこにしかない幸せを求める事。
日本の長い文化と伝統などと青筋を立てるならば、国土の隅々にまで生存圏が広がっていたのがこの国の文化と伝統です。
様々な幸せの選択肢を示す事も施政者の責任と思うのです。それはこの地方の閉塞を破るものではないかと。

[ 2017/06/16 00:53 ] [ 編集 ]

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://futaro1980.blog.fc2.com/tb.php/1356-a23fb9f7