タウシュベツ

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   士幌線旧線 タウシュベツ川橋梁    2017年6月







天気回復した事だし、夕張のおまけで前から見たかった「タウシュベツ」を目指して大雪の懐へ。


タウシュベツ川橋梁は1933年に士幌線建設のため架橋。

コンクリート造ながらローマの水道橋を思わせる優美なアーチが特徴だったが、糠平ダムの完成により1955年に水没、

以来渇水期に姿を現す幻の橋として有名になるも、80年以上の風雪と水圧は徐々にその躯体を蝕み、

そのアーチ形が見られるのはいよいよ今年辺りが最後ではと聞けば。

林道を4キロは歩かないと辿り着かないと尻込みしていたのだが、糠平温泉の先に全景を見られる展望台があるという事で。








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ただ単に渡河する橋を架けたいだけならもっと単純化した形が合理的と思うのだが、

型枠を使った現場打ちで表面のコンクリート層を作り、内部に割石を詰めこむ特殊工法がコストとデザイン性を両立させたとする。

大雪の太古の自然まで鉄路を伸ばした80年前の鉄道技術者の、秘められた美意識とロマンでもあったろうか。

図らずもここで光が当たるなら、それもまた先人達の時を越えた勝利にも思うのだ。

時は残酷に橋を蝕む。しかし以て瞑すべし。そこには滅びの美をも宿っているようで。






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展望台は国道から森の中をせいぜい200m程度の距離なのだが、何しろこの周辺はシャレにならないヒグマ地帯だし、

冬眠明けの子熊連れだしという恐怖もあってパンパン手を叩きながら用心。

でも新緑からの木漏れ日は眩しく、風は若葉の香りを運ぶ。


結局三国峠まで行く。ここからの太古の森の大展望は何度見ても溜息が出る。

彼方に聳えるのは残雪を抱いたウペペサンケ山。標高1848mの活火山、アイヌ語で「雪解け水をどっと押し出してくる」の意とか。








ウペペサンケ山hokkaido_16157take1b

    三国峠






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[ 2017/07/03 22:03 ] 最近の旅 北海道 | TB(0) | CM(10)

風太郎様

タウシュベツ川橋梁はデザイン性に優れていますね
古代ローマ時代を想います
建築物が好きな私にはたまらないお写真です
水位によってその姿が変化するようですね
今回その全貌を拝見出来て幸いです

最後のお写真
アイヌ語で「雪解け水をどっと押し出してくる」の意とか・・・
日本の水の恵みを想います
[ 2017/07/04 06:33 ] [ 編集 ]

飴細工のように・・・

風太郎さま

電関人も、移動中の車窓に一瞬このアーチを見ましたが
年々侵食されて細っていきますね。
まるで、飴細工を舐めていて繋がっていた部分がポキッと無くなる様に。
ゆっくりと自然に還るのも、また必然ですね!
[ 2017/07/04 09:20 ] [ 編集 ]

ヨーロッパテイスト


りらさま

鉄道技術というのはもともとヨーロッパから輸入されたものですから、
ヨーロッパテイストというのは知らず知らずのうちに入り込むのかも知れませんね。
ダムになる前は此処も太古の原始林、その鮮やかさに目を奪われますが、
それを切り拓いた先人の過酷な労働をも語り継ぐものです。
[ 2017/07/04 20:40 ] [ 編集 ]

原始の森を


狂電関人さま

国道からは見れるスポットがあるのでしょうか、初耳です。
コンクリートは皮だけなので、それが破れれば一気に崩壊が進むとの事です。
まあこれだけ長い歳月によく残ったという事でしょう。
洞爺丸台風によりこの地に大量発生した風倒木の搬出列車もギリギリこの橋を渡ったかも知れません。
巨木を乗せた列車が原始の森を行く様も目に浮かびます。
[ 2017/07/04 20:50 ] [ 編集 ]

こんにちは

タウシュベツがもういよいよ・・・であるとのニュース以来
多くの方々がここを訪れ、カメラにおさめていること、地元の知人からも聞いています
全く興味のなかった方も この橋が一体何なのかその歴史から学んでいることもわがことのようにうれしく思えます
よくここまでこの橋が残っていてくれたと 心から思いますし
この橋一帯を大事にしてくれていた関係者の方々のご苦労に頭が下がります

ウペペサンケ upepe(wakka)-san-ke  雪解け水 - が (支流から本流に)出ていく
雪解け水が川に押し寄せたりするのはどこも同じ なのにこの名がつけられたということはここが相当水豊かであり
雪解け以外は水が少ないのでしょうね 
ただ、水豊かであっても思慮なしにどんどこ木を伐り続けた森は簡単には戻りません 
自然豊かだから人が作ったこの橋はどんどん崩れていって やはり元には戻りませんし
かつてあった住居跡なども土台やら瀬戸物やら金物やらガラスやらは残っていて人がいた気配も消えない 
自然に還るのではなくたんに区別がつかなくなるだけのこと
いったい あの日々はなんだったんだろうな 
廃線とは いろいろ何やかやあったものを不燃布みたいなものでまるっとまとめ上げてしまう事なのかしらと
このあたりを訪れるたびに胸がぎゅっとなります いままさに地元の鉄道の行く末を思えばさらに

私もこの夏に用事があってここに行くことがありますので
敷設にかかわった多くの先人へ思いをはせ 目に焼き付けようと思っています

 
[ 2017/07/05 08:58 ] [ 編集 ]

レンガからコンクリートへ

風太郎さま
旧国鉄士幌線の遺構ですか。とても驚きました。
1933年というと、レンガ造りの鉄道トンネルや橋脚造りから、コンクリート工法に変わった初期でないかと。
当初は、レンガのようなブロック工法も多かったそうですが、現地での打ち込み工法も面白いですね。
デザインも、職人さんたちの心意気を感じ、人工物でありながら、自然との調和性も感じます。
水没崩壊は残念でありますが、今や、はるか遠くの国鉄時代を思い出しました。

[ 2017/07/05 15:43 ] [ 編集 ]

夢の跡


Jamさま

その昔糠平から幌加、三股にかけて線路際の土場は切り出された巨木で埋まっていたと聞きます。
自然から奪い尽くして鉄道は役目を失ったのだ、という以前お聞きしたお話が沁みるところがありますね。
自然との共生という選択が無かった以上、鉄道はうたかたの夢という運命から逃れられないのかも知れません。
しかし賢者は常に過去を振り返り、その教訓を忘れないもの。
それは朽ち果てる鉄道の最後の訴えに聞こえます。
[ 2017/07/05 21:29 ] [ 編集 ]

歴史の墓標


hmdさま

レンガ積みも趣があったでしょうが、この人跡未踏のような原始林にあって贅沢な工法は採れなかったのでしょうね。
また時代が時代です。タコ部屋労働の産物として、職人的な技能というより血と汗の産物なのかもと想像します。
本来ならダムの湖底に沈んで消滅する運命に抗う様な姿は、単なる優美を超えた歴史の墓標のようにも見えて来ます。
[ 2017/07/05 21:42 ] [ 編集 ]

滅びの美学

こんばんは。

タウシュベツ橋梁行かれましたかぁ…
話には伺っておりましたが、確かに今年が最後っぽいくらいの崩壊ぶりですね。
もっとも、修復する事もできるのでしょうが、滅びの美学に反しますし。
う~ん、お写真拝見したらムズムズしてきましたよ。
[ 2017/07/07 23:30 ] [ 編集 ]

お好みに応じて


いぬばしりさま

この展望台は安直に全体を見渡せますが、いかんせん遠景過ぎるのが難。
早朝から林道を4キロ歩いて橋のたもとまで到達するツアーがあるそうです。
ちょっとそそられるのですが、早朝と言えばヒグマの正に活動時間 (((;゚Д゚))) 、
度胸試しも兼ねてのツアーかと。お好みに応じて是非お訪ねください。
[ 2017/07/07 23:40 ] [ 編集 ]

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