只見線 十色の春来たり。 その6    ムラのよろずや

tadami201804_28603_00001take1b.jpg

  只見線 会津中川    2018年4月







風太郎が小学校1年か2年の頃だったか。

「しゃかい」 の教科書に 「いろいろなおみせ」 として 「よろずや」 が挿絵入りで載っていたのを結構はっきり覚えている。

もちろんその他の業種もたくさん載っていたはずなのだが、それらはきれいに忘れて何故か 「よろずや」 なのは三つ子の魂というところか。

今から50年前、昭和40年代中盤に掛かろうという時代である。少しづつではあってもこの国の 「地方」 が変貌しつつあったのは事実だろうが、

都会のコンビニなど影も形も無い時代に 「何でも売っている」 という特異な業態は教科書がわざわざ取り上げる程、

地方ムラ社会の経済活動に欠かせない役割をまだ保っていたという事だろうか。


今、「よろずや」 は絶滅の危機にある。

風太郎は各地でこういったお店を見かければささやかな応援としておカネを落とすべく、ガラガラと引き戸を開けるのだが、

入った瞬間に 「終わってる」 感に直面する事が多い。品揃えはもとより、店として死んでいる様は一瞬で分かるものだ。


只見線に造詣の深い方はよく御存じだろうが、会津中川駅のすぐ脇に昔ながらのよろずやがある。

夜の店仕舞いが異様に早い田舎にあって、遅くまで煌煌と明かりが灯っているだけ見てもタダものではない感があるのだが、

それより何より店内が 「生きている」 のだ。

厳密に言うと何でも売っている訳では無く、食料品関連と酒類に特化されているのだが、商品の回転と言うか動きがある事は見れば分かる。







tadami201804_28696_00001take1b.jpg







普通この手の店は耳の遠い年寄りが店番をしていて、店先で大声を張り上げなければ出て来てもくれないのが相場だが、

ここは風太郎より若い位のご主人が切り盛りされている。食糧の仕入れがてら、いろいろお話出来たのは良かった。


「店の始まり? ひいおじいさんが始めましたからねえ、百年以上は経ってるのでは。」

只見川の巨大ダムの建設と共に開けた土地である。 

昭和20年代から30年代にかけて次々と造られたそれに合わせて只見線も延伸を重ね、会津中川駅も昭和31年に開業した。

この店の裏手に広がる貨物ホームには膨大な建設資材が次々と荷下ろしされたらしく。

ある種のゴールドラッシュに沸く様も想像出来るが、過酷な肉体労働の癒しに 「酒」 は不可欠で、酒屋が繁盛しまくったのは産炭地と同じである。

嵐のような時代、そして静けさを取り戻した時代、店はその移ろいを見詰め続けて来た。


夜は21時半頃まで店を開けているという。21時31分に下り列車が到着するのでそれを待っているのかと聞くと、

それはまあと否定しつつ、いろいろ地元でのお役目もあるようだ。 

積み上がったビールケースは近隣の宿泊施設への卸だろうか。電話マークの看板を掲げた公衆電話も懐かしい。

「町のホットステーション」 として今も生き続ける店。 「道の駅」 の目の前だし、夜遅くまでやってるこの店を応援すべし。


夜の帳が下り始めると、桜花と共に店の明かりも浮かび上がった。







tadami201804_28685_00001take1b.jpg






HPはこちら  

「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
スポンサーサイト
[ 2018/05/18 20:06 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(6)

こんばんは

私も、こちらでご紹介のような店を通りかかったりすると、同様な衝動にかられます。(笑)
確かに、残念な印象を受け(賞味期限が切れたものが陳列されていたり...その場合はあえてそれを購入してしまいます。)、なんとも切なくなることが多いですね。

私が撮影行の休憩(店先で椅子に座って1時間ほど話して帰る)にいつも立ち寄る芸備線の某駅前商店(かつては常備軟券を販売していた)も、
ご紹介のお店と同様、今でも地域に根差している生きたお店なのですが、
なかなか経営は厳しいようです。

実は最近、少し離れたところにセブンとファミマがほぼ同時にオープンし、この先どうなってしまうのか、少々心配しておるのですが、
これからも生き永らえていってほしいです。
[ 2018/05/19 01:10 ] [ 編集 ]

田舎の森羅万象


山岡山さま

逆風の中頑張っているお店は応援したいですが、コンビニ2店舗ですかあ。
多分それらも地元資本は間違いないのでしょうが、支えるだけの商圏があるならまだ恵まれた立地の様にも感じます。
只見線沿線は数十キロにわたりコンビニ・スーパーの空白地帯があり、車の運転が出来ない高齢者などこういうお店が救っているところもあるのでしょう。
いずれにしても都会とは世界が異なる田舎の森羅万象は興味が尽きないですし、地元の人と接すれば鉄道の風景も違って見えます。
ただドヤドヤ押しかけて鉄道だけ撮って終わりでは味わえないものがあるんですがねえ。
[ 2018/05/19 13:27 ] [ 編集 ]

風太郎様

一枚目と三枚目のお写真
何回か拝見しました
店舗の屋根は塗り替えられています
外観は手入がされています
ほぼ 南に面しているようですね
昼間は自然の照明で明るいです
夜間は店内の照明で明るいです
左手にある積み上げらた箱がまるでライトアップされているかのようです
幸せ感じました
[ 2018/05/19 19:47 ] [ 編集 ]

土地に根を下ろす


りらさま

???この店の写真は風太郎の記憶では一度もUPしていませんが。
それはともかく、建物として観察すると100年を数えるほど古くは無さそうで。
店そのものの創業は古いのでしょうが、多分昭和30年前後のダム建設に伴う移転とか
業容拡大とかいろいろあって、その頃新築されたのではと想像しています。
こうして見れば桃源郷のようですが、豪雪のこの地では玄関を1.5階位に設けている家も多く、
そうもいかないお店やさんは除雪の苦労とか絶えない事と思います。
酸いも甘いもその土地に根を下ろすとはそういう事なのでしょう。
[ 2018/05/19 21:11 ] [ 編集 ]

風太郎様

私の書き方が悪くすみません
何回か拝見しました・・・・今回一枚目と三枚目を何回もスクロールして見ました・・・という意味です・・・以前は拝見していません
[ 2018/05/20 11:46 ] [ 編集 ]

そういう事ですね


りらさま

何度も見返して貰って有難うございました。そういう事ですね。
[ 2018/05/20 19:08 ] [ 編集 ]

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://futaro1980.blog.fc2.com/tb.php/1536-5c460ef2