ミンガラーバ!  その20   高原列車はゆく①

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青い空と白い雲、滴る緑。 ミャンマーにも爽やかな高原鉄道がある。


インド・パングラディシュ・中国・タイ・ラオスなど様々な国と国境を接しているのだが、その国境線はほとんどが険しい山中にあり、

それが天然の要害となって国を守ってきたことも想像に難くない。

中国国境にほど近い町「ラーショー」へと延びる鉄路は、今から百年以上前の植民地時代にイギリスによって拓かれたもの。

ビルマ平原から一気に立ち上がる山岳地帯は標高こそ1000m強だが、7~800mの標高差を10数kmの距離で突破するは

当時の鉄道技術の粋を集めたものだったに違いない。





800px-Railway_map_of_Myanmarラショー線


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もうあきれるような線形である。

入り口で待ち構えるは三段に及ぶスイッチバック。 続く半径100m位ではと思えるオメガループの連続。

そしてその先、やはり急峻なオメガループで固めた谷に架かるは高さ100m超、鉄道橋としては世界第二位の高さという「ゴッティ鉄橋」だ。

この凄まじい線形もあってか、マンダレイからラーショーまで16時間近くを要するのだが、

それでは丸々2日潰れてしまうので途中の交換駅で折り返して日帰りで済ませようという算段だ。





myanmar201807_30978_00001マンダレイ駅




ラーショー線はわずか一日一往復、マンダレイ発は何と午前4時。 まだ深夜の駅はご覧の通り大駅寝会場である。

別にホームレスという訳ではないと思う。早朝発が多い長距離列車に乗るにはこうして前の晩から駅に泊まるのが合理的なのだろう。

しかしまるで自宅の茶の間のような堂々たる寝姿には恐れ入る。なかなか真似をする気にはなれないが、まあ穏当な国ではあるのだろう。




ラーショー行き列車は山岳鉄道らしく強力なF級機関車、1等車1両、2等車2両の客車に有蓋車2両を連ねたミキスト編成で発車する。




myanmar201807_30971_00001マンダレイ駅


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夜明け前に乗ってきたバナナ売りの男。高地では穫れないのか金にはなるのだろう、延々と乗っていた。



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払暁、麓の駅に着く。 今も残るスポートは厳しい峠越えの記憶を伝えるか。

DLは中国製の電気式ながら2000PS級というからDD51クラス。




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朝の腹ごしらえを明かりを灯した物売りが提供する。

夜明け時は朝のお勤めの時間でもあるらしく、駅本屋から低くお経が流れ始める。

日本のお経とは大分違っていて、コーランの朗読にも似た節を付けて歌うように。

何処か遠い世界に誘うような調べが、朝焼けの空に静かに溶けてゆく。





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「風太郎の1980年田舎列車の旅」

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[ 2018/09/12 21:17 ] 海外写真 | TB(0) | CM(8)

ラーショー線

風太郎さま

なんだかすごい線区ですね!?

DF形機関車、マンダレイまでのやつもそうでしたが
やはり、真下の線路の視界確保のせいですかねこの逆スラントスタイルは・・・。
張り上げ屋根の客車の詳細も見てみたいですね。
[ 2018/09/14 08:44 ] [ 編集 ]

高原列車楽しみにしています!!

風太郎さま 

ついに、ミヤンマー国鉄の山岳線区の登場ですね!!

僕が海外蒸機に目覚めた80年代前半は、中国ばかりでミャンマーには行くことが出来ませんでした。
確かこの線区は70年代には、ガーラットが活躍していたはずです。友人のI氏が70年代後半に訪れたときはすでにガーラットは廃車体でした。
いずれにしろ、スイッチバックやオメガループの連続で高度を稼ぎ、極め付きの大鉄橋など、是非とも訪れてみたい線区です。

続編を楽しみにしています!!
[ 2018/09/14 12:09 ] [ 編集 ]

「世界の車窓から」視点で


狂電関人さま

逆スラントは視界確保とは違うんじゃないかと思いますが、どういう効能があるんでしょうね。
客車は一等も二等もマンダレイ急行と同じものです。ローカル線ながら観光路線でもあり、いい客車を奢っているようです。
あんまり形式写真を撮る趣味が無いので不親切ながら、相変わらずの「世界の車窓から」視点でちょいちょい内部も出て来ますよ。
[ 2018/09/14 20:15 ] [ 編集 ]

峠の蒸気


高野 陽一さま

かなり最近まで残っていたらしいミャンマーのSLも、こういう厳しい路線程早く消えたのでしょうね。
ガーラットとはまた凄い。半分命懸けでも撮る値打ちはあったかと思いますが、まあ後の祭りで。
せめてそんな機関車の幻影でも重ねながらこの先も楽しんでいただけたらと。
でもまあ、こういう線路はやっぱり真上から見るものと思い知らされました。
[ 2018/09/14 20:24 ] [ 編集 ]

DF20 逆スラント

話題になっている機関車は中国製ではなくフランス・アルストーム社製です。
別の場所で確認していますが間違いないと思います。
フランス型のよく言う「げんこつスタイル」の流れでしょうか。
また「35年もの」との話も聞きましたからかなりの年代物ではありますね。

ただし、2年前にマンダレーで運転席に乗せてもらって見たのは、計器類が
デジタル化され、モニタパネルが並んでいました。
ヘッドライトもLED化されていてそれなりに近代化改装されているようです。
機材は旧いものでしょうが、それなりに改造されて使われているのでしょう。
新製などできず、あるものでまかなっている、素晴らしい方向性です。
日本もまねしなくては…
[ 2018/09/14 20:45 ] [ 編集 ]

どうなんでしょう


大木 茂さま

そうですか。私としては下記のブログの記述を鵜呑みにしてしまったのですが。

http://zkokh.blog.fc2.com/blog-entry-236.html

アルストーム社製に関しては記述が薄いのでよく分からないのですが、ごく初期に第一陣で配備されたのがそれで車番は2001~2015、
それ以降は中国製かと。もっともライセンスなのか、パクリなのかもよく分かりませんが。
まあトリコロールカラーですし、何となくヨーロッパ的に垢抜けた感じは「中国」のセンスとは考えにくいですがねえ。
いずれにしてもこの写真の「2081」はごく最近配備された最新型のようですね。


[ 2018/09/14 21:38 ] [ 編集 ]

DF20 失礼しました

「群盲像を撫でる」の一員になってしまったようでお恥ずかしい。

僕が見たのは「DF2002」、ごく初期のDF20でした。
台車に「ALSTHOM」の刻印があったので、DF20全てがアルストーム製
ではないかと考えてしまいました。

01〜15まではアルストーム製、16以降は中国製、との説に納得です。
軍事政権への制裁で西欧社会からの輸入が出来なくなり、
中国に生産を依頼したようですね。
初期型は運転席の側窓がない、運転席下にある前照灯が縦に並んでいる
等の違いがありますが外観はほぼ同じようです。
基本設計は変わっていないようで、「ライセンス製産」とは考えにくく
「パクリ製産」でしょうな、多分。

今回話題になった「逆スラントの前面窓」は基本設計の
フランス・アルストームスタイルだと思います。

思い込みとは恐ろしいものよ。
反省しつつ、以上、訂正してお詫び申し上げます。
[ 2018/09/15 09:56 ] [ 編集 ]

ミャンマーの機関車


大木 茂さま

形は同じでもパクリがあったりするから油断ならないですね。
でもアルストームの初期型に会ったというのもなかなか珍しいのでは。
ミャンマーの鉄道というととにかく運行が疎らな印象が強いですが、
随分な数の機関車を抱えている様子、貨物列車も含めて走っているところでは走ってるんですかねえ。
[ 2018/09/15 12:23 ] [ 編集 ]

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