展示作品より
全人口の5人に1人が15歳未満というミャンマーの町角を歩けば、あちこちから興味津々の小さな瞳に見詰められる。
声を掛ければ恥ずかしがり照れながらも、そこは珍しいものに対して正直な子供の事だから、
言葉など介さずとも打ち解けるのに時間は要しない。
屈託の無い彼らと接していると、こちらまで心が軽くなるようだ。
時折イェーィとばかりに向こうからフレームに飛び込んで来る奴もいる。
ならばとこちらも遠慮なく撮らせてもらうと、ニッと笑って 「撮影料。」 と小さな手のひらを出す。
断ると、ちぇダメかぁと消沈しながらそれ以上しつこい事は無いのだが、後で写真を見れば何処か悲しい目をしているものだ。
経済発展は目覚ましくもその副産物である「富の偏り」という社会の矛盾から、最も弱い立場である彼らも逃れる事は出来ない。
それでもミャンマーは敬虔な仏教国として宗教的道徳観が草の根に行き渡っており、殺伐とした犯罪性向が乏しい事に加え、
仏教寺院の社会的存在感が高いからストリートチルドレンと化した子供の最後のシェルターになっているとも聞く。
しかしそれは生涯を仏の許に捧げるという想像を絶する禁欲生活の運命と一体でもあるので、
いつの間にかいなくなる子供が多いのも無理はない。
まるで早馬の様に姿かたちを変えつつあるこの国の、次の国づくりは巨大な人口ボリュームを擁する彼らの役割である。
かつて我が国にも「アジアの共栄」という崇高な理念があったと言うならば。
心優しき民である彼らの自立に投じて惜しい金は無いはずだし、国益とはその先にあるものと信じたい。
ヤンゴン郊外 2019年
風太郎4年振りの個展です。今月28日から。
写真展 「 ミンガラーバ! ~ ミャンマー・レイルサイドストーリー ~ 」(東京展) オリンパスギャラリー東京 2020年8月28日(金) ~ 9月9日(水) 木曜休館
(大阪展) オリンパスギャラリー大阪 2020年9月18日(金) ~ 9月30日(水) 木曜休館
※ハガキでは営業時間が10~18時となっていますが、現在のところ11~18時に短縮営業中です。
なお、ギャラリートークならぬ「作品解説」を下記の日程で実施する事になりました。 写真に写らないよもやま話を語ろうと思っています。
(東京) ①8月29日(土) 14~15時
満席 ②9月5日(土) 14~15時
空席あり(大阪) 9月19日(土) 14~15時
空席あり 8月29日(土)の回は満席になっています。 但し・・・オープンスペースですので実際には・・・と誰かが言ったような。恐縮ですがオリンパスのユーザークラブ「フォトパス」会員のみ、事前予約が必要な先着10名限定です。
但しユーザーではなくとも会費無料の「ゲスト会員」登録する事により予約出来ます。
一度風太郎のツラが見たいという方、お待ちしております。
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