さらば 「山北の九龍城」

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  御殿場線 山北  2012年



下手糞ゆえ気乗りしない付き合いゴルフに行く道すがら、車窓からいつも気になっていたのが

御殿場線山北駅脇にあるこの建物。

発するオーラがあまり気になるので、以前しっかり撮りに行った事がある。

上の写真は裏側だが、ご覧の通りのボロボロで廃墟かと思えば、

スナック数軒と定食屋他がしぶとく営業中である。

2階部分は店主の住居だったのかとも思うが、さすがに住む人も居ないのか、妖しい空気が沈殿している。




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写真でしか見た事が無いが、その昔香港にあって警察も立ち入れないと言われた魔窟「九龍城」をちょっと

連想させるので、風太郎は勝手に「山北の九龍城」と呼んでいた。

山北と言えば丹那トンネル開通以前には大機関区があり、鉄道の町として栄えたところ。そんな繁栄と享楽

の残り香を伝えるようで、どこか惹かれる建物だった。




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駅を通過するたびその健在を確認していたのだが、つい先日、手前の駐車場も含めた敷地全体が足場と工事

シートに覆われているのを目の当たりにし、愕然とする。

解体、建て替えは疑いなく、遂にここも過去の風景になったようだ。地元山北町も玄関口がコレではと、頭を

痛めていたに違いない。


またひとつ、昭和の空気を閉じ込めた様な建物が消えた。



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「風太郎の1980年田舎列車の旅」

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[ 2013/11/29 21:47 ] 最近の旅 関東 | TB(0) | CM(6)

風太郎様

一枚目のお写真を拝見しますと
2階部分は 壁の一部分のみしか
塗装されていませんが
1階部分は 塗装されています
1階部分が 店としての構えをささやかながら
されていることが理解に及びます

二枚目のお写真
窓の柵の錆び
それは かなりの年数がかかってこそのことでしょう
窓ガラスがないままになっている処もありますが 
室内から 板で窓を塞いでいるようです
これを見ると 2階は 長らく人が住んでいないことが顕著に分かります
窓にある 柵の鉄錆びにある 秋の実
1階部分が現在営業中
2階部分は 人の気配はすることはなくとも
季節は 公平にそれを語っているのだと感じました
錆びと秋の赤
その色彩の調和
無機質の美と有機質の美
素晴らしい描写だと感じます
[ 2013/11/30 08:03 ] [ 編集 ]

人間と建物

りらさま

いつも丁寧なご感想有難うございます。

いわゆる「廃墟写真」にも興味があって、世の中の流転や儚さをそこに感じさせる様な写真に憧れています。
ここは廃墟では無いですが、もうそれに近いですね。
壁の色もそうですが、窓の形もどう見ても不似合いな出窓があったり、もう使う人の好き勝手という感じですね。
多分、大家のいる賃貸では無く、区分所有的な形態なのだと思います。
権利関係も入り乱れていそうでおどろおどろしいですね。
人間の業のようなものと同時に、ここにささやかな幸せを求める様な、切ない人間らしさを感じさせるところもあります。
古い建物は、そんなむき出しの人生をも受け入れているような気がして興味が尽きません。
りらさんが撮られているような、いわゆる選ばれた人々の人生を秘めた建物と対極のようで、
実は根底では繋がっているものなのかも知れませんよ。
[ 2013/11/30 10:23 ] [ 編集 ]

山北九龍城。

風太郎さま

そうですかぁ、残念。
「宴」というスナックの行灯が、
なんだかこの鉄道の要山北の「うたげ」の後を
寂しく漂わせて、また一つ国鉄時代を遠いものにしていきましたな。
[ 2013/11/30 11:10 ] [ 編集 ]

しぶとい業種

狂電関人さま

ご多聞に漏れず寂れが目立つ駅周辺で、スナックのような業種が意外にしぶといというのも不思議です。
固定客商売が最後に強いのかと思わせますが、明るくきれいな建物に生まれ変われば商売は終わりでしょうね。

怪しげな景色もまた、人間の町の一部と思うのですが。
[ 2013/11/30 12:28 ] [ 編集 ]

こんにちは

我が家に「御殿場線ものがたり」という絵本があります
福音館書店の小学低学年向きの本ですが
著者は宮脇俊三さんですので えらく詳しいです
長男食い入るように見ていました
私はこの絵本のおかげで御殿場線の存在を知りました
その絵本に 山北駅のことが書いてありますが
こう配を登る蒸気機関車を支える鉄道員が、この駅では300人も居たのだそうですね

ヒトが増えたらいろんなものが増え ヒトが減ったらいろんなものが消え
でも何かが、思念のようなのがシミのように残ってる、それにたまらなく惹かれますが
でもやっぱり、宮脇さんが何かに書いていたように
そんなとこにはオヨメさんはこないし そういうものを求めるのはそこに生活してない旅人の希望なのかもしれませんね

[ 2013/12/01 15:57 ] [ 編集 ]

変わらない事の価値

Jam さま

「御殿場線ものがたり」の内容はよく知りませんが、山北駅あるいは御殿場線そのものの栄枯盛衰を描いたものなのでしょうか。
かつての東海道本線ですし、戦前の活況は貴重な写真も含め地元の郷土史に膨大な記録が残っています。

私の場合、物見有山の観光旅行の代わりに、地元の暮らしに少なくとも近い旅をしてきたかと思うので、
そこに古くて変わらないものを求めてしまうのは旅人のエゴである事は、人並み以上に感じてきました。

幸せのかたちも時代と共に変わっていきますから、地元が考える幸せを追うのも仕方ない事かも知れません。
ただ、一度失くしてしまったものを取り返すことは出来ませんから、
古い事、変わらない事の価値を冷静に判断して下さい、という思いもあります。

まあ、「九龍城」は凄過ぎますけどね。
[ 2013/12/01 19:00 ] [ 編集 ]

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