Old Timers    手仕事の砦

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   上毛電気鉄道  大胡電車庫   2013年11月



大胡にある電車庫も見学させてもらう。古色蒼然とした木造庫で文化財指定もされているという。

こういった建物の常で壁の大きさに対して窓が小さく、素朴な工作機械や工具、武骨な電車部品が、

窓辺から漏れる斜光線の中にひっそり佇んでいる。

古い電車は当然ながら交換部品など無く、部品取り用の廃車体から取り外したものを加工して再利用したり、

極端な例では一品物のオリジナル部品をゼロから手作りしたりする事も多く、そういった作業用の工作機械が

未だに必要とされているのだろう。

最新の鉄道車両の整備は、高度に電子部品化されたユニットごとの交換が単位となっている事も多く、

工作機械を使った微妙な調整などはどんどん消えていく運命だ。

それは合理的な整備性という点で間違いでは無いのだが、機械と人間の微妙な手仕事を介した対話は、

機械の暴走を人間が制御し続けるための砦として、どこかに残すべきものと思う。





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  木造の庫内

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  グラインダー

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  古い旋盤

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  吊り掛けモーターと歯車

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  埃と油に塗れたボルト 

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  旋盤の駆動部



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「風太郎の1980年田舎列車の旅」

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[ 2013/11/27 22:12 ] 最近の旅 関東 | TB(0) | CM(6)

宝石箱。

風太郎さま

待ってましたー!!
今回の上毛詣は、デハもさることながら
この大胡車庫の方が楽しみでした。
昭和3年生まれの電車をちゃんと動くように整備して、
将来の夢は、黄色のデハ104を本線走行可能にすることだとか。
職人魂を見ましたね!
整理整頓された工具や、ちゃんと油が回っている旋盤器など
庫の中は正に宝石箱。
[ 2013/11/27 22:50 ] [ 編集 ]

文化財の中身

狂電関人さま

建物は文化財でも中身にナニがあるかは良く分からず期待半分でしたが、
イメージしていた通りの中身だったのには感動しましたね。
後はご存じの通りです。

デハ104を本線走行可能にする云々の話は撮影に夢中で全然聞いていませんでした!
[ 2013/11/28 00:40 ] [ 編集 ]

人の細やかな手仕事で作られるものが少なくなっていることは、本当に残念です。
昔なら、壊れたら直す、だったのに、今は、壊れたら交換。
いまのユニット単位での交換は、ゴミが増えて困ります。
風太郎さんの文章と共にモノクロがいい雰囲気作ってますね。^^
[ 2013/11/28 13:28 ] [ 編集 ]

手塩にかけて

いろもりカラス さま

有難うございます。

今回乗った電車は85歳、鉄道車両って長持ちするものなんです。手塩にかけた整備があれば。
職人が慈しむように直した古い車両が走っているところが、ローカル線の温かみにも繋がっていたように思います。

こういう場所は自然光と人工光が混じって一枚ごとに色が変わるのでモノクロ化してみました。
また、色が無い方が「光」が強調されますね。
[ 2013/11/28 23:12 ] [ 編集 ]

風太郎様

私は今回お写真にあるような場所に行ったことはありません
お写真 拝見させて頂いた 最初の感想は
そこにあるのは機械であり工具であっても人間の英知を感じることです
一枚目のお写真
壁に書かれた 数字 手入れが行きとどき 整然とされている工具
それは その工具を使用する人が
仕事をする上に 必要不可欠なことかと思います
私の仕事は 接客業務であり 職場な華やかです
でもそれは お客様の見えうるところだけであり
地下に行けば 行く程 それは 一変します
会社の事情になりますので 詳細には 述べることは 出来かねますが 
お写真にあるような光景と似たような光景を 見ることは 可能です
それぞれのスペシャリストがいて 入社から定年までその仕事に関わっています
例えば 椅子の修理 一つでもスペシャリストがいます
革張りの椅子もあり 釘一本さえ 以前のままに修復しています
100年前程にデザインされた椅子
それは その時の図面が残されていて
先程 申しあげたように 釘一本 打つ処さえ違えることはありません
当然ながら それには 工具が必要であり
工具は長年に渡り使用され 使用される方は
それに愛着を持たれ 大事にされ 後輩に引き継がれていくのです
まさに 職人芸の域になります
巨大なボイラー室もありますが それも機械任せにすることは出来ません
やはり スペシャリストがいます
地上の華やかなを支えているのは
その地下でのお仕事をされている多くの方々なのです
それも 24時間 365日 営業ですから
お客様に 生涯逢うことが ない方も
交換勤務とはいえ 気を抜くことは出来ません
長年使用されてきた 機械の手入れ 工具はどの職域の方も大事にされています
近代化された 地上にある 私の職場
幸せな 会話で溢れ 豪華なインテリアのある処
その下にある 地下何階かにも及ぶ 職場には
お写真にあるような 場所があり まさに
その道 一筋の 職人の方々の集団です
最初に述べましたごとく最初拝見して
お写真にあるのは 一見 無機質に見えるものでありながら
そこに 人間の英知と工具への愛情を 感じずにはいられませんでした

[ 2013/11/29 07:53 ] [ 編集 ]

素朴な道具たち

りらさま

お仕事のご様子、手に取るように分かります。
表舞台が華やかである程、縁の下の力持ち的な人々の存在は忘れがちですが、
そういった人たちにも目を配るりらさんの優しさを感じました。

素朴な道具たちには、日本人が本来持っている生真面目さ、実直さも宿っているように思います。
また、それ自体にオブジェのような美しさも感じます。
りらさんが撮られるような夢のように美しい世界とは大分異なりますが、「用の美」に通じるのでしょうか。
短い時間でしたが、窓からの光で立体的に浮かび上がるフォルムに、しばし夢中になってしまいました。
[ 2013/11/29 21:46 ] [ 編集 ]

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