さらば、 「あけぼの」

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  上野  2013年



定期運行としては最終列車が今夜出るとあって鉄道系ブログには関連記事が溢れると思うが、風太郎も便乗して。

もっとも風太郎はこの列車を外から撮った事は無いばかりか、一度きり乗った事があるだけなので、

早朝の上り列車をまだ暗いうちから待ち構えるような人の前では偉そうな事は言えないが。



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1970年、上野~秋田間を走る寝台特急として誕生。

同じ東北を走る夜行急行「津軽」が座席車中心で庶民の匂いを強く宿していたのに比べ、

それは豪華列車であり「出世列車」の別名もそこから生まれた。

東北の寒村の出身者が東京で成功を納め、この寝台特急のA寝台から颯爽と降り立つのが、

すなわち「故郷に錦を飾る」事であったらしい。

高度成長にあって、ひたすらに前のめりでがむしゃらな、昭和の香りを残した列車。



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ジブリの映画「おもひでぽろぽろ」にも「あけぼの」が出て来る。

(ちなみに風太郎は一連のジブリのなかでこの映画が一番好きだ)

都会のOLの主人公タエ子が、しばしの田舎暮らしに自分探しを求めて山形に向かう。

時代設定が1982年なので奥羽本線回り、秋田行きの「あけぼの3号」と思われる。

確かに夜を疾走する寝台車の車内のシーンがあった。



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作画は徹底したリアリズムを貫いたそうで、交流区間は当時の牽引機、ED75がちゃんと牽いている。

ここはやっぱり山形新幹線じゃダメで、長く気怠い汽車の夜を過ごすことにより、

観客もまたタエ子と一緒に、田舎と通り過ぎた過去という、異境への道のりを共通体験する。

1991年公開。日本中がバブルに狂奔するなか、田舎道にふと立ち止まって自らの心の底を覗く様な物語。



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結局「あけぼの」が走ったのは、昭和よりも平成の方が長い事になる。

時代の変化に、と今更言うのも奇妙な程、変わりゆくものに抗い続けた晩年とも言える。


最後の姿をカメラに収めようと線路際は花盛りだったろうし、今夜の上野駅は馬鹿げた狂騒になると思うが、

風太郎は無くなっていく鉄道や列車をお祭りで見送るのは昔から本意でないので、

新宿の居酒屋で酔いつつ、普段通りの夜を過ごそうと思う。





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  秋田  2013年


HPはこちら
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

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[ 2014/03/14 00:24 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(8)

風太郎さんの目線

風太郎さま

なるほど。
こうなりわけですね。。。
電関人も惜別車内編が残ってます。
[ 2014/03/15 15:16 ] [ 編集 ]

内側目線

狂電関人さま

鉄道を外から客観的に捉えるのと、内側から一人の旅人の目線で捉えるのとでは、
だいぶ意味合いが違ってくるように思いますね。

風太郎にとってこの列車はやっぱり内側目線で捉えたかった被写体です。

図らずも乗ることが出来て良かった・・。
[ 2014/03/15 17:30 ] [ 編集 ]

風太郎様

3月15日 購読している 新聞の朝刊に
「あけぼの」に関する記事がありました
最終列車は 14日の夜 上野駅と青森駅を出発したようですね
上野のホームには 約2500人の鉄道ファンが詰めかけたようです
午後9時16分
長い汽笛を響かせて上野駅を発車したとのことです
昨日は 新宿の居酒屋で酔われていたのでしょうか・・・・
「あけぼの」を想って・・・・
寝台車での夜を思いだされたことでしょうか・・・
2013年の冬を思いだされたでしょうね
乗車されることが 出来て良かった・・・
私も心から 思いました
風太郎様とお知り合いになっていなかったとしたら・・・・
私は今日の新聞にある「あけぼの」の記事を読みすごしていたかと思います
それだけ 私に影響を与えて下っています
私も今宵は お写真にある 「あけぼの」を忍びたい気分です
[ 2014/03/15 21:18 ] [ 編集 ]

見送り

りら さま

殺到するコメントへのお返事だけで大変なご苦労でしょうに、わざわざコメントいただき有難うございます。

「あけぼの」、あちこちでニュースになっていますね。
でもブログにもある通り、お祭り騒ぎで見送るようなのは嫌いですし、いざ無くなる時は大して感慨が無いんです。
暫く経ってからですね。ああ、あれはもう無いのか、と心の空洞に気付くのは。

[ 2014/03/15 22:03 ] [ 編集 ]

北へのドラマ

こんばんは。

あけぼの号、遂に無くなってしまいました。
正直まだ実感が無いのですが・・・

お写真は、やはり風太郎さま目線のあけぼの号ですね。
上野から北へ目指す夜行列車の雰囲気がそこかしこに
表現されておりドラマみたいです。

ムリだと思いますがまた、定期列車で復活してくれないですかねぇ。
[ 2014/03/16 23:09 ] [ 編集 ]

夜と朝

いぬばしり さま

列車で迎える夜と朝はそれだけで非日常の体験で、
およそ鉄道のロマンの根源のようにも思えます。

昔夜行列車はいやというほど乗りましたが、寝台車は高峰の花で、
大人になって取るべき仇のひとつだったということですね。
一発勝負で、何となくイメージに描いた通りの写真が撮れてしまうのは、
やはり被写体そのものの魅力なんだと思います。

このままの形での復活は・・・世の中がひっくり返らないと、という事でしょうか。
[ 2014/03/17 00:25 ] [ 編集 ]

葬式鉄の方々には恐縮ながら

私も「あけぼの」への惜別は自分なりに済んでいた
ので、終幕に立ち会うことはしませんでした。
東北・奥羽経由の寝台列車が消えて、上越・羽越
経由のみになったあたりから、「時間の問題」に
なっていたのだと思います。さすがに最近は
「ブルトレ」という呼び方はあまりしなくなりましたね。
(あれは20系の呼び名)
[ 2014/03/17 15:36 ] [ 編集 ]

にわか鉄

マイオさま

ご存じの通りのローカル系一本槍ゆえ、幹線の特急列車の類はとんと疎く、
乗車直前になって、「あけぼのって羽越本線回ってるんだ、へえ。」と思った位。
そういう意味では、にわか鉄そのものではあります。
そうやって守備範囲が狭いまま捉まえそこなっているブツは多いんだろうなあと。

ブルトレ、確かに20系のシンプルで品の良い質感が感じられるデザインは秀逸でした。
そういえば20系も一度も乗っていなかった・・・。
[ 2014/03/17 22:42 ] [ 編集 ]

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