北紀行  その18      秘境駅 豊ヶ岡 ①    森の駅

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   豊ヶ岡駅に続く道より       2015年2月  




秘境駅流行りである。

その手の駅評論家も昨今は多いようで、いろいろな形で「認定」されているようだが、

その定義となるとひどく曖昧で、これが秘境かと首を傾げたい駅もある。(すぐ脇を国道ビュンビュンなど。)

「秘境」の定義を人跡未踏の奥地とするなら、そもそも人や貨物の輸送需要が全くないところに駅は出来ず、

本来、秘境と駅とは交わるものとも思えない。


札沼線豊ヶ岡も、そんな秘境駅とされているもののひとつだ。

しかし国道は結構近いし、新十津川寄りには車も通れる道路がオーバークロスしていてお立ち台になっている位だから、

さてなんぼのもんかと風太郎は斜に構えて見ていたところもあった。


1960年、地元住民の「請願」により新設された駅である。北海道特有の仮乗降場では無く、

正式な駅としてスタートしたのは、その需要量を考えれば意外な事のようにも思える。

周辺は開拓農地が広がり、各地から入植した開拓農家の賑わいも多少はあったかも知れないが、

それでも隣の家は遥か彼方という土地柄である。

これは想像の域を出ないものだが、前回でも触れた通りここは監獄と共に歴史を重ねた土地であり、

そういった国家の負の側面を押し付けた負い目から来る政治的判断というものが介在し易かったのではないか。

もとより札沼線そのものが名うての政治路線とされている位だから。


豊ヶ岡駅は夕暮れと共に舞い始めた小雪と森の向こうにあった。

車は件のオーバークロスまで入れる。そこから続く小道も入れなくは無いが、スタックしそうで自重した。

もとよりこの先は駅で行き止まりなのだ。車を置き、カメラだけ持って森の中へ。

途中に街灯など全く無く、降り続く雪にかき消されてしまいそうな、静寂の道である。





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   札沼線  豊ヶ岡      2015年2月



駅に辿り着く。簡素なホーム一面と、これは珍しい木造待合室が残っている。

駅というより仮乗降場にこの手のものが多かった。国鉄はホームを設置するまでが関の山で、

酷寒をしのぐための待合室は地元住民の手作りも多かったと聞く。

そういった仮乗降場もJR化以降駅に昇格したのは幸せな方で、大部分は路線の廃止と運命を共にした。

豊ヶ岡はまるで開拓農家が全てを手作りして生活を築いたような、素朴な味わいをその建物に宿している。

建物の中にはさすがに有名駅だけあって、写真や訪問のマーキングが所狭しと飾られていた。




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しかしこの外界から隔絶されたような空間はなんだろう。

道は駅で行き止まりだし、通過する人さえいない。深閑とした森に小雪は音も無く降り続くばかりである。

やがてこの小駅にも夜の帳が近づいて来る。






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[ 2015/03/09 19:32 ] 最近の旅 北海道 | TB(0) | CM(6)

風太郎様

駅舎とホームは ある程度の距離があるようですね

「もとよりこの先は駅で行き止まりなのだ」
では 最後のお写真
縦写真の下は・・・ホームの下は・・・
森林になっているのでしょうか・・・
線路はまっすぐ伸びています
風太郎様はどこから撮影されたのでしょうか
私は 考えこんでいます

そして走行する列車には 誰か乗車しているのだろうか・・・
とも考えています

駅の成り立ち 教えて下さり感謝です
知らないこと 一杯ありますね
やはり ブログ再開して良かったと思います
[ 2015/03/09 20:24 ] [ 編集 ]

レイアウト

りらさま

レイアウト自体、一般的な駅と大分違うので・・・。
雪に埋もれていますが、ホームの手前にささやかな踏切があり、
駅舎はホームの右手前にあるのですが、フレームアウトしていますね。
次回の写真で少しレイアウトが分かると思いますよ。お楽しみに。
北海道でも指折りの閑散線区です。お客は極少だと思います。
[ 2015/03/09 21:39 ] [ 編集 ]

札沼線

風太郎さま

先秋の渡道の際、最終日のはまなすまでの時間つぶしに
乗り鉄したかったのですが、敢え無く札幌駅地下での
ひとり飲みと化してしまいました~(呑)
[ 2015/03/09 22:21 ] [ 編集 ]

夜の札沼線

狂電関人さま

夜の札沼線・・・。真っ暗闇だと思いますヨ。
もっともそんな車窓もなかなか体験できなくなくなりましたが。
[ 2015/03/09 23:08 ] [ 編集 ]

札沼線、豊ヶ岡。知りませんでした。
木造駅舎の残る、今時珍しい駅ですね。
北海道のローカル線の小駅といえば、最近はヨが駅舎代わりだったり。
反対にログハウス風に改修されていたりで、中々このような駅舎にはお目に掛れません。
行ってみたい駅が一つ増えました。
[ 2015/03/10 05:55 ] [ 編集 ]

木造待合室

popomanさま

不粋なヨのダルマや無味乾燥な新建材建築が跋扈する世の中、こんな駅舎は数える程かと思います。
昔は北海道の原野にこんな駅は一杯あったものですが・・・。
比較的車のアプローチは至便な場所にありますので、何かの折に寄られてみては。
[ 2015/03/10 20:33 ] [ 編集 ]

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