夕張物語 その2    夕張は、倒れたままか。

yubari_16012take1b.jpg

yubari_16032take1b.jpg

   夕張市本町   2016年7月







その背後にあったものは黒いダイヤの歴史が育てた成金的な退廃や、明日の命も知れぬ危険な坑内作業の日々にあって、

「宵越しの金は持たねえ」と刹那の浪費を厭わぬ炭鉱気質だったかもしれないが。

かつてエスカレーター付のデパートが夕張っ子の自慢だったという夕張本町中心部は、

冷え冷えとした廃墟が連なって時間を停めている。







yubari_16044take1b.jpg

yubari_15996b.jpg






 
最盛期に12万の人口を抱えた炭都は閉山に伴う急激な人口減少に直面し、

乾坤一擲の逆転策として観光都市化に向けた巨大投資に賭ける事になる。

しかし場違いに瀟洒なリゾートホテルは、それ一点のみで垢抜けたリゾートを演出出来るほど甘くは無かったし、

その前に立つチャペル風の夕張駅舎は徒歩0分を目指して線路を短縮しここに移転したのだろうが、

中心市街地から見ればますます利用しづらい鉄道に変えた。

ジェットコースターやら豪華水上レストランやらこの酷寒の地にプールやら、贅を尽くしたテーマパークは瞬く間に客が引き、

その廃墟は原野に還りつつあるようにも見える。







yubari_16028b.jpg

yubari_15979take1b.jpg
 
   石勝線夕張支線 鹿ノ谷   2017年6月






結果的に年間財政規模の8倍にも及ぶ353億円の財政赤字を抱え、全国唯一の財政再生団体として

世間の耳目に晒されたのはある種の「見せしめ」だったかもしれない。

しかしそれは野放図な一自治体の放漫行政の報いと言うより、疲弊するこの国の「地方」の、

何処にでも在り得る縮図のように思えてならないのだ。


破綻から10年、誰もやり手がいなかった夕張市長に東京都職員の身分を投げうち30歳で就任した青年をリーダーとして、

夕張は再建に奮闘している。

市役所職員定数はもちろん住民サービスの極端な削減に町を見限る市民も多かったが、

100億円以上の負債圧縮に成功した実績を認められ、新規投資を含め全てを封じられたような縛りが解かれつつある。

極めて低廉な公営住宅は新住民を呼び、石炭層の上に豊富に埋蔵されたメタンガスの採掘は、新たな産業として実用化を目指す。


夕張に夜明けはやって来るのか。

10年目の節目に最近作られた夕張市のPR映像。

「夕張は、倒れたままか。」で始まるそれは、浮ついた自治体PRとは一線を画して重く、力強い。














HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/06/15 20:03 ] 最近の旅 北海道 | TB(0) | CM(8)

夕張物語 その1    シホロカベツの森

yubari_16085take1b.jpg

   石勝線夕張支線 清水沢   2017年6月







夕張にやって来ました。


どうしてもモノトーンの風景を連想されてしまうのが炭都の宿命ではあるが。

分厚い炭層と共に深い原生林を抱いたシホロカベツ川の谷あいに夕張はある。

滴るような新緑。北海道色も映える季節になった。


今回はツレも一緒なので鉄系の写真はマイルドに抑えております。








HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/06/13 19:52 ] 最近の旅 北海道 | TB(0) | CM(4)

凝視

蒲原鉄道 大蒲原  55mm原版_7027take1b

   蒲原鉄道  大蒲原    1984年







子供はいつだって奇特なものに正直だ。

雨が初雪に変わりそうな底冷えの日に。









HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/06/11 18:01 ] 昔の旅 蒲原鉄道 | TB(0) | CM(6)

失うもの 得るもの

minamiurawa_15245take1b.jpg

   東北本線 南浦和   2017年3月








強力な手振れ補正付超望遠に加え、トリミング自由自在かつ超高感度上等なデジタル一眼の登場は、鉄道の写真表現に一種の革命をもたらしたと思う。

撮るものが無くなったとお嘆きは同感ながら、失われるものと得るものはどこかでバランスしていると勇気を奮わなければ。








HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/06/09 22:02 ] 最近の旅 関東 | TB(0) | CM(6)

通票よし

kominato20161126_12165take1b.jpg

   小湊鉄道 里見    2016年








夜のしじまに確認の声が沁みてゆく。








HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/06/07 21:43 ] 小湊鉄道・いすみ鉄道 | TB(0) | CM(2)

色彩情報破棄

iiyama20130217_196take1b.jpg

   飯山線 西大滝   2013年






カラー⇔モノクロを行ったり来たりがデジタルの妙ながら。

色彩情報破棄をクリックすれば、そこでマウスが止まって見入ってしまったり。







HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/06/06 00:11 ] 最近の旅 中部甲信越 | TB(0) | CM(4)

壊れないカメラを

DSCF0415コッタロb








ニコンの経営不振が伝えられればユーザーとしては心配になる所だ。DLシリーズとか買う買わないはともかく触ってみたかったなー。

風太郎はこのメーカーと関わるようになってせいぜい6年位だから赫々たるユーザー歴を誇る人の足許にも及ばないながら、

相当に使い込んでる事に関しては人後に落ちないと思うからささやかな応援を込めて提灯記事を書く。

ニコンサロンで写真展をやらせてもらった恩義もあるしね。


風太郎の所有するニコン機材は現用本務機がD800E、それ以前に使っていたのがD700なのだが、両者に共通するのはとにかく頑丈な事だ。

先日の北海道の帰り道、バックアップ用に持ち歩いているD700を空港の石貼りの床に1m位の高さから落下させれば。

「着地」の瞬間、火打石みたいに火花が散るを見れば、完全にイッたと天を仰いだのだが。

昔の真鍮ボディならベッコリだろうが、マグネシウム合金のボディはわずかに傷が付いた程度で変形等は見当たらぬ。恐る恐るスイッチを入れれば特段の異常もなく。

それでも心配だからニコンのSSに持ち込んで点検してもらったらこれも異常なしと。

「レンズが付いていたらマウントがイッた可能性があるが、ボディだけならその位平気ですよぉ。」と事もなげに語るSSのおっちゃんの顔をまじまじと見てしまった。


雨の日も風の日も走る鉄道を被写体とする以上、全天候型カメラマンでありたいと風太郎は思っているし、暑い日寒い日、夜討ち朝駆け上等である。

もちろん相棒たるカメラにも付き合ってもらわなきゃ、という事でカメラにも常に過酷な環境を与えている。

雨中の撮影でカメラに付いた水滴がボチャボチャ滴り落ちるを見れば、これって「水没」と同じじゃね、と思うけれど止めない。

ペンタや軍艦部に積雪10mm位になっても動じぬ。北海道のようなパウダースノーならまだ良いが、

会津新潟辺りの湿った雪はカメラの熱もあってだんだんシャーベット状に溶け出す。でもここで踏み止まってこそだ。


ここ数年で体験した最寒記録は音威子府での-29℃。当時使っていたペンタの645は絞り機構が凍結したのか露出はバラバラ、

最後はキュンと鳴いて巻き上げも停まり、暖かいところで「蘇生」させるまで動かなかった。そういう寒さである。

ニコンのデジタルに替えてからだと釧路川沿いの夜明けの-23℃か。

この寒さになると呼気に含まれる水分が一瞬で霜になってカメラに凍りつく。D700時代だが証拠写真。

バッテリー位はレリーズ直前までポケットで温めたが、これがほんとの「フリーズ状態」だ。

カメラのダウンジャケットのような防寒グッズも見かけるが、あれは三脚にどっかり据えたまま動かず撮り続けるようなスタイルでない限り

邪魔にしかならないように思えて不採用。カメラを甘やかしちゃいかん。


まあでもこのようなカメラの扱いは限界ギリギリというか、相当ヤバイ線だと思うから良い子は決してマネをしないように。








DSCF0394b.jpg










というような所業を6年も続けてD700と800は一度も故障が無いばかりか、どんな環境でも完璧に動作した。

先の落下事故でも実証された通り、素朴な頑丈さは信じていいと思う。

これは本当に有難い事で、共に歴戦を潜り抜けた戦友というか、カメラへの愛着というのはそういうところから生まれるものかと。

風太郎のカメラ選択の基準は、お値段を別にすればスペック云々よりまず「壊れない事」だ。

カタログを見ても躯体構造とか防水防塵シールドとか、そちらの方ばかり見てしまう。

その他のメーカーは使った事もないので知らんけど6年前の乾坤一擲のデジタル化の際、

プリミティブなメカ構造の安定に対する真面目さというか、そういうレガシーを受け継いでいるのはやっぱりニコンじゃないかと思った訳で。


カタログに麗々しく書き連ねられるスペックと比べ、耐久性はなかなか書きようがないから損である。

でもそういう所に地味に拘った商品の良さを分かる人間は分かるぞと思うし、

ある意味トヨタ日産以上に強烈なニッポンブランドであるニコンさんは不屈の精神で蘇って欲しいと思うのだ。







HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/06/02 22:43 ] 写真道具 | TB(0) | CM(8)

300㎞/h の朝

shinkansen201701_13475take2東北新幹線郡山付近b

   東北新幹線 郡山付近  2017年1月







疾走の窓をそれぞれの朝が通り過ぎてゆく。







HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/05/31 23:45 ] 最近の旅 東北 | TB(0) | CM(4)

北辺の機関車たち

_15891take1b.jpg

  「北辺の機関車たち」  復刊ドットコム刊      








初版が1971年、半世紀近い時を経て蘇った伝説的名著である。

風太郎が写真に目覚めた1980年代以降は古本屋でも見かけるのは稀で、あったとしても2~3万円に及ぶような法外な値付けでは手が出るはずも無く、

噂だけは聞くものの実際に中身を見たのはそれから20年以上後だったりする。

見たい人間が大勢居るのに適価で手に出来ないというのは何より出版文化の貧困と思うし、

「復刊ドットコム」という企画で現代に蘇るは、やはり多くの人々がこの写真を熱く支持した事はもとより、文化の継承という視点でも喜ばしい。








_15898b.jpg

   これが初版本。焼けと傷みが歳月を語るがこれでウン千円だ。






現役SL末期、日本中を席巻したブームの始まりの中で、当時大学生だった三人の若者の手で綴られた鉄と氷、黒と白の絵巻。

厳寒の鉄路に生きる男達の姿もモノトーンの世界に息遣いている。

「蒸気機関車の商業化に耐えきれなかった」というのはメンバーの一人である大木さんの言だが、

その時代をリアルに知らぬ風太郎もブームに乗じたような陳腐極まりない写真群が残されるを見て溜息ついた記憶はある。

所詮商売先行、マーケティングとして撮られた写真には魂から湧き出る様な憧れや愛おしさといったものが宿るはずもないのだ。

アマチュアであるが故のそして若さ故の純粋さと、本当にそれを愛した者のみが持ち得るロマンチシズムが芳醇な旅の抒情と共に心を捉える。

印刷は最新製版で見事にリニューアルされた。スキャニングからやり直したというから画像のクオリティは全く別物だ。

昔の印刷の方も味があるというのは古本を大枚はたいて買った負け惜しみでもあるが、両者を比べてみるのも味わい深い。








_15893b.jpg

_15894b.jpg

_15895b.jpg

_15896b.jpg








今やかつてのSLブームを凌ぐのではと思える撮り鉄ブームである。線路際に立つ人の絶対数で比較するなら今の方が多いかも知れない。

しかしその大衆化・商業化は、ともすれば無個性かつ予定調和的に迎合した写真表現の量産にも繋がる。

世の趨勢に敢えて背を向けた若者たちのエネルギーの在りようが現代に蘇る事もまた、何か時代が求めたアンチテーゼにも思えるのだ。








HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/05/29 21:32 ] 日々雑感 | TB(0) | CM(10)

発車時刻

津軽鉄道 五所川原駅ホーム5 1984年1月 X970 AdobeRGB 16bit 原版take1b

   津軽鉄道 五所川原   1984年








手のひらの懐中時計は秒を刻む。

悪天の中、運行は定時を保っているのだろうか。















(写真展漫遊録)



15888b.jpg



うねる海、降り続く雪、黒く身を寄せ合う家並み。

ともすればステレオタイプな「日本海側」ながら、これが2010年代というほぼ現在のリアルである事に心動く。

そこに息づくのは皺を刻んだ年寄りばかりでなく、微笑む若者、はにかむ子供。手が届かぬ程遠くなった日々に帰った錯覚さえあって。

それは写真が作った幻なのか、それとも自分がそこで見るべきものを見ていないからか。

今一度日本海の浜辺に立って確かめてみたくなる。


8☓10で撮ったというモノクロームの階調が饒舌だ。

鉄としては気になるハガキ写真は羽越本線の吹浦付近との事。


銀座ニコンサロンで来月6日まで。









HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村

海を眺めて

土讃線 安和 2016年10月_11108b

    土讃線 安和    2016年






土佐の黒潮を眼前に望む駅。ほんのついで撮りをお立ち台で。


下の写真はごくごく簡素な待合小屋の中にある「らぶらぶベンチ」。

ご覧の通り座面がVの字になっており、表面はツルツルだから此処にカップルが座ったら。

けしからんベンチのせいに出来るという趣向らしく。

まあらぶらぶじゃなくともロケーションは最高だし、天気が良くて時間があるなら海を眺めてまったり過ごしてみたい駅。






土讃線 安和 2016年10月_11107b





HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/05/25 21:20 ] 最近の旅 西日本 | TB(0) | CM(6)

” HIGAHASU ”   Singing in the Sunset  5

higahasu20170121_13522take2b.jpg

   東北本線 蓮田    2017年1月








「ライザップ行け。」と周囲がうるさいが、つまらんフィットネスなんぞで不毛な体力を使うより、

思い立ったが吉日で蓮田界隈をうろうろする方が、余録も付いたクリエイティブな運動になるというものだ。

もう大分前ながら冬晴れに誘われて久々に行ってみました。









higahasu20170121_13582take2b.jpg






どういうネタか知りませんがこんなんも来ました。屋敷森もエグゾーストに揺れて。







higahasu20170121_13542take1b.jpg







この時期はカシ通過と日没がほぼ同時。薄い雲が掛かって空のほのかな彩りがなかなかだったので。

本日の総歩数は2万歩。よしよし。








HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/05/23 22:32 ] 最近の旅 関東 | TB(0) | CM(6)

山笑う

kominato201704_15390take2b.jpg

   小湊鉄道 養老渓谷   2017年4月








狂騒の桜の季節を敢えて避ければ、落ち着きを取り戻した沿線に春は溢れて。

まだあるよと山桜も迎えてくれた。









HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/05/21 15:07 ] 小湊鉄道・いすみ鉄道 | TB(0) | CM(0)

価値あるもの

蒲原鉄道 大蒲原駅 吹雪とED1 3 1983年2月 16bitAdobeRGB原版 take1b2

   蒲原鉄道 大蒲原    1983年







黎明期の古典電気機関車に造詣がある方なら、昨今の東芝経営危機のニュースには複雑な想いもあるのではないか。

米企業 「ウエスティングハウス」である。


かつて電気機関車をはじめ産業の世界に電気動力という革新的な技術を持ち込んだウエスティングハウス (以下WH)の歴史は、

それまでの産業動力の主流であった蒸気機関に代わるものをもたらしたし、それは第二の産業革命を担っていたとも言えよう。

時は流れ、原発という現代の巨大インフラをも手掛けるメーカーになっていた事は今回の一件で初めて知った。


日本の鉄道におけるWHといえば、大正末期から昭和初期にかけて輸入された独特な凸型形状の小型電気機関車のイメージが強い。

上の写真がそれであると言いたいところだが、この蒲原鉄道ED1は1930年日本車両製の歴とした純国産機関車である。

しかしその形状と言えば正真正銘のWH製で今も現役の弘南鉄道ED22に細部まで酷似している。

WHのパクリかと言われる由縁だが今も昔も知的財産権にはうるさいお国柄であろうし、そのあたりの事情はよく分からない。

いずれにしても真似を通じてその構造を一から学んだのだろうと思う。国産電気機関車の師でもあった訳だ。

思えば東芝も名だたる電気機関車メーカーである。

その礎を学んだ会社を逆に傘下に入れるとは弱肉強食の資本の論理でしかないが、結果的に一蓮托生の破綻を被る事になるとは皮肉という他ない。


げに恐ろしいのは「企業価値」という見えざるものである。価値とはその製品の手触りと重さで確かめられるものばかりではないらしく。

人が財産、信用が財産という無形の価値を重んじる企業理念は昔からあった。

しかしそれらも全て株価という市場の評価に内包され、ひいては企業価値として絶対数値化されるのだという。

絶対価値を定める市場という奴は、それ程に神の如く万能で明察なものなのだろうか。


今も昔も限定少量生産の鉄道車両は、試作機だの発注流れだのいわくつきの品が時折出る事があり、

経営の苦しい田舎の鉄道が飛びついて安く買い叩くというのも往々にあったらしい。

このED1も試作機をちゃっかりお得にゲットしたという事情だったのだろうか。

しかし全身を武骨なリベットで固めた「製品」はこの雪深い越後の地を70年にわたって走り続け、除雪に貨物輸送に奮闘してその終焉まで経営を支えた。


価値とはそういうものではないか。




今は文化財としてこの地に眠る。

kanbara201509_4362take1b.jpg

kanbara201509ED1マスコン_4387take1b






HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/05/18 21:42 ] 昔の旅 蒲原鉄道 | TB(0) | CM(2)

Requiem

秩父鉄道1 1982 55mm_15884原版take1b

   秩父鉄道  上長瀞    1982年










生を急ぎ過ぎたS君に捧ぐ。


35年前のこの時、君はそこに居ただろうか。

思い出せない。












秩父鉄道2 1982 55mm原版take1b






HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村

模型のような

上田交通1 198年 月 日 16bitAdobeRGB原版take1b2

   上田交通  八木沢    1982年






いかにも地方私鉄な、独特な形態の駅舎である。そのまま「地鉄電車」のジオラマになりそうな。

この駅舎は今も残っているようだが、妙にスッキリした最近の写真を見れば変わっていないのは駅舎だけというのに気付く。

農家の納屋の裏側を見るような、この愛しきゴチャゴチャ感。






HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村

わたらせ 花暦  その8     花明かり

watarase201704_15460take1b.jpg

   わたらせ渓谷鐵道  大間々     2017年4月









花明かりとはよく言ったもの。

家路につく人々を乗せた下り列車を見下ろしつつ。

宵闇に抗う満開の桜花は、何処か狂気さえ含んだ妖しい明かり。


やがてそれも夜に沈んで花の暦は静かに通り過ぎる。

また来年。



( わたらせ 花暦   おわり )











watarase201704_15737take1b.jpg

    上神梅






HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/05/12 22:01 ] 最近の旅 関東 | TB(0) | CM(6)

わたらせ 花暦  その7      淡春

watarase201704_15419take1b.jpg

   わたらせ渓谷鐵道 小中   2017年4月






峠道を振り返れば。

新緑に早くとも、季節が巡る狭間の淡い気配もまた饒舌だったりする。

今日最後の光の中を。







HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/05/10 20:23 ] 最近の旅 関東 | TB(0) | CM(4)

わたらせ 花暦  その6      のたりと春

watarase201704_15616take1b.jpg

    わたらせ渓谷鐵道 本宿    2017年4月









うららかな陽気はまどろみを誘う。傾く夕陽すらいつまでも空にある。

ローカル線のリズムはのたりと流れる春の時間に似て。









watarase201704_15426take1b.jpg

    大間々







HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/05/08 20:35 ] 最近の旅 関東 | TB(0) | CM(6)

わたらせ 花暦  その5      あかがね色

watarase201704_15360take1b.jpg

  わたらせ渓谷鐵道  大間々    2017年4月








美意識以前にデリカシーに欠けるカラーリングの鉄道車両が増えた。

従来の塗装に代わり複雑な模様の類を容易に貼りつけられる「カッテイングシート」の発達が、

余計それを煽っているようにも思えるが。

ローカル鉄道の目的がどんどん観光にシフトしているのはやむを得ないところもあるが、

珍妙にケバケバしく騒々しい塗装が遊園地気分で人を呼ぶとでも思っているなら浅過ぎる。

( わ鐵の近隣のSLが走っている鉄道の気動車色なんぞ目を覆わんばかりだ。 )


足尾銅山にちなんだ「あかがね色」というわ鐵の塗装は秀逸だと思う。

その存在を主張し過ぎる事も無く、美しき日本の自然や穏やかな里山との調和を乱さず優しく溶け込む色。

一時の遊園地気分では一度来たら終わりだ。

さりげなく風土とひとつになったローカル鉄道の在りようこそが人の心を動かし何度も足を運ばせるのだ。

最近の新型車はクリームを入れたツートンだが、それもまあなかなか悪くない。

安手のデザイナーなんぞに丸投げして遊ばれるのでは無く、それもまたふるさとの景色である鉄道の塗装の在り方を深く考えてもらいたく。









watarase201704_15611take1b.jpg

   小中






HPはこちら  
「風太郎の1980年田舎列車の旅」

Copyright © 2014 風太郎のPな日々 All rights reserved


「ブログ村」に参加しました。ご訪問の際はポチしていただけると励みになります!
 ↓
にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ
にほんブログ村
[ 2017/05/06 20:08 ] 最近の旅 関東 | TB(0) | CM(8)